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「屈曲+沈胴」ハイブリッドズームレンズ

キヤノン・IXY 50S
 「屈曲沈胴プリズム退避鏡筒」式ズームレンズのメリットは、コンパクトな高倍率ズーム化とボディの薄型化である。メインスイッチをOFFにしてズームレンズを収納させたときに、いかに小さく薄く“畳み込めるか”、その答えが「屈曲沈胴プリズム退避鏡筒」だったわけだ。
 コンパクトカメラは薄型小型であるほど人気も高い。売れる。だから小型化のためには各社とも苦労を重ね、さらに、より小型化するために撮像センサーをどんどんと小型化してきた。センサーサイズが小さいほどレンズを小さくできる。レンズが小さければボディを小型薄型化できる。レンズが小さければカメラは安くできる、センサーも小さければ安い…と、これは余談。

 カメラの「小型化」についてはちょっと横に置くとして、収納時のボディを薄型にするために、たとえば屈曲型レンズをボディ内に組み込んだり、沈胴式にしたり、さらには収納時に一部レンズ群を待避させる構造を採用した沈胴式や、さらには一群のレンズを待避させるだけでなく二群を同時に待避させるという構造の高倍率ズームレンズを作った。
 そうした中でIXY 50Sは屈曲型ズームと沈胴型ズームを組み合わせて(待避型ではない)、36?360mm相当の10倍ズームながら収納時のボディ厚を約2センチちょっとという薄型に仕上げた。他の同クラスの高倍率ズーム内蔵のカメラに比べて約1センチほど薄い。


 屈曲型ズームと沈胴型ズームの“ハイブリッドズームレンズ”は、4?5年前にパナソニックがTZ-1だったかで始めておこなって内蔵させている。35?350mm相当の10倍ズームであるがボディの厚みは約4センチもあった。このパナソニックのTZ-1とIXY 50Sとは同じ屈曲型+沈胴型ではあるが、ひとつ決定的に違う点がある。
 50Sのそれはボディ内に横置きされた屈曲型ズームが「動く」ことだ。それも極めて高精度な位置合わせが要求されるプリズム部が、メインスイッチのON/OFFのたびに出たり引っ込んだりする。TZ-1は固定させたまま。

 キヤノンはコンパクトカメラに屈曲型と沈胴型のハイブリッドズームの採用をだいぶ前から狙っていて、レンズの光学設計そのものはすでにできあがっていた(ようだ)。ところがレンズを作る側が、つまり製造側がその難易度の高さのためになかなかクビを縦にふらなかった。製造側は相当に苦労をしたようで、「作れるっ」となってようやく50Sが製品化された。
 いちばん苦労したところが、そう、プリズムが出てきて沈胴ズームの光軸上に“ピタリッ”と正確に停止することだった。屈曲型ズームは固定式であってもプリズム部の精度がレンズ精度の“肝”を握っている。沈胴型ズームレンズよりも、屈曲型ズームのほうがイマイチ描写性能のよろしくないものが多々あるのは、このプリズム部の組み付けが難しく、安定性が保ちにくいからだ。

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