とにかくレンズがいい

オリンパス・XZ-1
 XZ-1の魅力は、内蔵のズームレンズに尽きる。
 とにかく内蔵のズームレンズが素晴らしい。憎たらしく感じるほどの描写で、むろんレンズ自身の描写力もあるが、それに加えて絵づくりにも少しナニかがあるようで、とにかく描写性能が良い。少なくとも、ぼくが使ったα版(β版以前)の機種はすこぶる良かった。切れ味抜群で、解像感ばりばり。

 ところが、オリンパスのホームページでXZ-1の製品紹介をしているんだけど、先日、それを見て驚いた。そこの「実写サンプル」は、ぼくが借りて使ったα版の“写り”とはだいぶ違う。
 オフィシャルページの写真は画面周辺部で“腰が砕け”て解像感もない。とくに遠景描写だけど、悪いとは言わないが、決して良いとは言えない。画面中心部と周辺部の描写の“落差”が大きすぎる。なんじゃ片ボケじゃないか、と感じたほど。
 どうしてこんなヘナチョコな画像をオフィシャルページで発表したんだろうか。もっと性能の良いレンズで撮ったグランプリ画像を公開すべきじゃないのか、と不思議に感じた。製品版の描写は、たぶん、あんなもんではないと思う。


 その描写の違いの原因はわからぬでもない。たぶん、初期の試作段階の機種にありがちな製品のバラツキのためで、その実写サンプルを撮影するために使ったカメラが運悪く“ハズレ”だったのかもしれない。α版やβ版のカメラではよくあることだ(作り込みを続けていくうちに製品版では直ることが多い)。ただ、それを事前チェックできなかったオリンパスがへなちょこだったんでしょうね。
 というわけで、以下、ぼくの使ってみた印象の話は、借りた素性のいいα版をベースにしますね。

 ズームレンズなのに開放F値が広角側でF1.8、4倍ズームの望遠側でもF2.5といった明るさにも驚かされる。28mm広角側から112mm望遠側にズームしてですよ、開放F値がたった1EV程度しか変化しない。
 開放F値の明るいレンズを持ったコンパクトデジタルカメラでは、単焦点レンズだけど、リコーのGR DIGITAL IIIの28mm相当でF1.9ってのがある。このレンズもまた素晴らしい。開放絞り値F1.9から充分な実力を発揮して、じつに“大人っぽい”腰の据わった描写力のあるレンズで、ぼくは大好き。

 で、ですよ、そのGR-D IIIのF1.9単焦点レンズと、XZ-1のズームの広角側で撮り比べたわけですよ。同じ撮影条件で同じ被写体を28mm相当の画角で。そうしたら、こと解像描写力についてはXZ-1が“圧勝”でした。
 いや、ここで慌てて誤解されちゃ困るんだけど、だからといってGR-D IIIのレンズがだめだという意味ではないですよ。いつも言ってますけど、カメラは描写力だけではない、見栄えだけではない、機能がいっぱいあるからいいというだけではない。「総合力」で判断しなきゃいけません。