リコーの長持ち思想

リコー・CX5
 CX5には大きな特徴が「3つ」ある、と先日ここで述べた(3月11日)。繰り返しになるけれど、旧型と同じレンズを使い続けている、というのが1つ。ボディ外観のデザインもほとんどそのまま。2つめは、いったんリコーのカメラから消えてしまった外光パッシブAFの機能がCX5で復活したこと。3つめが、リコーでは初の超解像の撮影機能を盛り込んだことだ。

 それにしても、内蔵レンズも外観デザインも、継続してここまで我慢強く使い続けるというメーカーは他にはほとんど見当たらない。徹底した「長持ち思想」だ。リコーの哲学さえ感じさせる。感服、感服。
 その内蔵レンズは28?300mm相当の高倍率ズームで、これをCX2からCX3、CX4そしてこのCX5とずーっと使っている。初代のCX1だけは28?200mm相当のズームレンズだった。

 内蔵28?300mmズームは、むろん、モデルチェンジごとにスペックにはあらわれないようなごくマイナーな改良などはされているだろうけどレンズ構成はもちろん開放絞り値などもまったく同じ。さらにこのズームはGXR用のカメラユニット・P10にも使われている(こちらはやや大きめの変更はされているけど基本構造は同じレンズ)。


 いやべつに、そのことが悪いと言っているわけではない。むしろその逆で、モデルチェンジのたびに、「どこかを変えなければ売れない」と強迫観念のようなものを抱いて企画し開発しているカメラメーカーが多い中にあって、このリコーの姿勢は潔いというか合理的というか徹底的というか。吝嗇というか、骨までしゃぶり尽くそうという哲学か。

 ボディの外観デザインだってそうだ。
 モデルチェンジされるたびに、少しは変えてはいるけれど基本的なデザインコンセプトはキープしたまま。モードダイヤルの形状も大きさも、メインスイッチの位置も、ズームレバーのデザインも寸分も違わないし、背面の操作ボタン類も液晶モニターのサイズも、もう、なにからなにまで同じ。感服、感服。そういえば、バッテリーはCX2からCX3になったときに変更されたが、これはCIPAの約束事でリコーが積極的にやったことではない。

 ボディ外観デザインはグリップ部を少し変更しているぐらい。シリーズの中では、グリップがキチンと付いているCX2とCX3が、やはりいちばん良い。それに比べるとグリップ部のないCX4もCX5も、はっきり言ってカメラデザインとしてはあきません。
 しかしデザインはあきませんけど撮影機能的にはやはり最新型のCX5がよろしいし、カメラとして安定熟成しておりますね。