外光パッシブAFユニット

リコー・CX5
 リコーのデジタルカメラには、だいぶ前から ―― いつごろからかは忘れたけど ―― 外光式のパッシブAFの機構を内蔵させていた。これと、撮像センサー面で測距するいわゆるコントラストAFとの“2本立て”でスピーディーにピント合わせができるのが特長だった。

 外光式パッシブAFは、ごくごく簡単に言えば一眼レフカメラに内蔵されている位相差方式AFと似ている。ただAF精度は一眼レフのそれに比べればだいぶ劣る。そこそこのAF測距はもちろんできるが、メリットはピントを合わせようとする位置が「近いか遠いか」がわかることだ。
 コントラストAFの最大のデメリットは、被写体の位置が瞬時に「近いか遠いか」がわからないことで、だから測距スピードが遅い。いったんレンズを前後に駆動させ(スキャンして)狙った被写体の位置を探ってから測距するからだ。これを補うのが外光パッシブAFで、コントラストAFの測距のスピードアップにつながる。


 ところが、そう、ちょうどGR-Dが「I」から「II」にモデルチェンジされたときに、この外光パッシブAFユニットをリコーはなくしてしまった。リコーは省略した理由として「コントラストAFで充分に高速なAFができるようになったから」といっていたが、でも、そんなことはウソっぱちであることはぼくはわかっていた ―― わかっていたけど“その当時”には公言できなかったのだ(オトナの事情ってもんだ)。

 つまり、リコーは外光パッシブAF用のセンサーを部品メーカーから購入していて、それがある事情で手に入らなくなり(このへんは深く詮索するな)、それでやむなくGR-D IIから外光パッシブAF機構を省略したというわけだ。
 ところが、省略したもののやはり外光パッシブAFの効果はそれなりにあって、リコーはずっと「なんとかしたい」と思い続けてきた(たぶん)。じゃあ、ということでリコーはその部品を自分たちで作ってしまった。ここがリコーの素晴らしさ。それを搭載した初めてのカメラがCX5なのだ。
 というわけでリコー自社開発の外光パッシブAFユニットの話はもう少し続けるつもり、次回をお楽しみに。