キヤノン、どうしたのぉ、これ?

キヤノン・PowerShot SX230 HS
 キヤノンのコンパクトカメラでは、新しい機能やパーツ類を他社に先駆けて率先して“搭載”したり“採用”したりということが、傾向として少ない。他社がそれを採用しているのを横目で見ながら、その出来具合や活用方法をよくチェックして「これならイケる」と判断してから ―― 言い方に少し語弊があるけど ―― ようやくキヤノンのコンパクトカメラで使い始める、そんなことがいままでに多々あった。
 これをぼくは「キヤノンの後出しじゃんけん」と言っている。むろん卑怯だという意味はまったくない、メーカーとしては安全確実の道を選ぶのは当然だ。競うように採用、搭載しなくてもキヤノンのカメラは売れていた。

 このSX230HSに搭載されたGPSも、そう、後出しじゃんけん。キヤノンの実力をもってすればソニーやカシオよりも「先」にGPSを搭載したカメラを出していても決しておかしくはないのに、と思うがそれをやらないしたたかさ。
 ところが、今度のSX230HSのGPSは、後出しじゃんけんで搭載した機能にもかかわらず、ぜーんぜんダメ。うーん、キヤノン、いったいどうしたのぉ、これは、というものでした。いままでならば、後出しじゃんけんでキヤノンが搭載したり採用した機構や機能は、先に出した他社のカメラよりも、やはり一歩進んでいたし安定もしていた。よく“練れて”いた。それなのに…。


 SX230HSのGPSは、ひと言でいえばとにかくトロい。反応が鈍いというかノンビリしているというか、老人力が横溢しているというか、なんというか。
 SX230HSのGPSモードで設定できる機能は2つあって、1つは撮影した写真に位置情報(と、高度情報)を書き込む機能。もう1つはロガー機能でソレは何かと言えば、GPSの情報を“一定間隔(時間と距離)”でLOGファイルに記録するというもの。つまり、移動したルートが地図上にトレースされて表示される機能だ。

 ぼくがいろいろ試してみた限りでは、GPSモードをONにしてから衛星をキャッチするまで「最低でも約5分」かかる。そのときカメラのGPS部を上にして開けた空に向けて置き、動かしてはならない。スイッチONにしたまま、静止させた状態でじっと5分待たなくてはならない。スイッチONにしたまま10?15分ほど「歩き回った」ら、GPSはまったくウンともスンとも反応しない。とにかく衛星をキャッチするまではピクリとも動いちゃダメ。

 衛星をキャッチしたと安心してカメラをOFFにする。GPSモードのまま、しばらく歩く。撮影をしようとスイッチをONにしてワンカット撮る。GPSは無反応。もうワンカット撮る、まだ無反応。おいおい、どうしたんだとカメラを覗き込んでごちょごちょやっていると、ぼーんやりとGPSが衛星をキャッチする、とまあ、こんな具合。
 ロガー機能をONにしたまま一晩するとカメラのバッテリーがすっからかん。設定したときに、バッテリーが消耗するよ、と警告はでるけど、そりゃあないよね。開発者でてこい、だ。