もう少し愛嬌のあるカメラなら

キヤノン・EOS Kiss X5+シグマ・85mmF1.4 EX DG HSM
 評価のムツかしいカメラです。ぼくはこのKiss X5の魅力をどのように“見つけ出し”て評価すればいいのか、うーむ、困っております。
 「平凡」と言ってしまえばこんなに平凡なカメラはない。しかし、ナンと言いましょか、不特定多数に向けたデジタル一眼レフカメラとしては素晴らしいデキであります。が、おもしろくないカメラ。どことなく愉しくないカメラ(とは少し言い過ぎだけど)なのだ。使っていて感じるのは「ふーん、そう、よく写るねえ、エラいエラい」と、それくらいしかないんです。

 備わっている撮影機能は充分だし操作性も良い。写りも良い。デジタル一眼レフとしては軽い小さい。ほんと良くできたカメラだ。まったく“スキ”のないカメラで、だから可愛くないというか、使っていて“いとおしさ”も感じにくい。理屈っぽくて目から鼻に抜けるような受け答えをする美人…か。ボディのデザインもウマいよねえ、腕も頭もいいカメラづくりのプロ集団が作ったカメラですよ。


 たとえばの話だけど、あまり親しくもないがちょいとうるさ型の誰かから、「おすすめのデジタル一眼を教えて」と問われれば、「あ、キヤノンのKiss X5がいいと思いますよ」と答えてしまいますね、ぼくなら。
 「良く写らないぞ」とか「使い方が難しい」とか「こんな機能がついてないじゃないか」なんて、あとで不愉快な対応をされる心配もまずないでしょう、このKiss X5なら。あまり深く考えずに人に勧められるカメラだ。ただし、「良いカメラを教えてくれましたね、ありがとう」、なんて感謝を言ってもらえることもない、そんなカメラです。

 撮像センサーはEOS 7DやEOS 60Dと同じ約1800万画素CMOS。画像処理エンジンはDIGIC4だし(7Dだけはデュアル)、最高ISO感度も同じ。実際の写りは、露出レベルがややオーバー傾向ではあるが(ユーザーターゲットに合わせているのかな)、画質的にはこころなしかKiss X5が良いように感じた。
 でもね、くどいようだけど、デジタルカメラは「画質だけ」で判断しちゃいけない。「画質だ、画質が」と言う人に限って、どうしてなんでしょうね、写真がウマくないんですよねえ…。