カメラが変化すれば写真も変わる、かも

キヤノン・EOS Kiss X50+シグマ・50mmF1.4 EX DG HSM

 Kiss X50の先幕電子式単幕フォーカルプレーンシャッター(造語)の話のつづき。

 キヤノンはこの新型シャッターについての詳細はおろか、採用していることさえカタログはもちろんプレスレリーズにもいっさい触れていない。黙っている。キヤノンはそっと秘密にしておきたい。でも、聞けば(しぶしぶだけど)教えてくれる。
 ぼくは、こりゃあ画期的なシャッターだと考えるのだけど、でも、そのぼくでさえ、もしキヤノンの立場だったら、たぶん黙ってるだろうなあ。積極的には言わない。

 なんのトクにもならない。けっして良いように受け取られないからだ。一眼レフカメラとしての有り難み、という点で言ってもなにもない。
 ほんらいなら、複雑なメカニズムで2枚の先幕と後幕が高速で正確精緻に走行して露出をコントロールするのに、電気的にちょいッとON/OFFするだけで、幕は、確かに走行してシャッター音はするけど、いわば「蓋」の役目に過ぎない。
 手抜き、安もの、ととられかねない。知らないほうが幸せにKiss X50を使っていられる、こともなくもない。


 この新型シャッターは、似たような機構をすでにキヤノンのカメラで採用している。ライブビュー撮影のときのサイレントモードがそれだ。しかし決定的に違うのは、このX50のフォーカルプレーンシャッターはハジメっから後幕だけの「単幕シャッター」だということ。
 で、将来は後幕もなくしてしまう可能性だって大いにある、それもそう遠い将来でもない、ということを暗示している。

 ただし、現在のところ小さな「不具合」もなくもない。一部のレンズを使って高速シャッターで撮影すると露出ムラが発生することもある、ということ(キヤノンの話)。一部のレンズとは、TS-Eレンズやエクステンションチューブなどなど。露出ムラがおこる原因、理屈については、どうぞ自分で考えてちょうだい ―― 説明がめんどうだ。
 でも、それが解決されるようになるのは(たぶん)時間の問題だと思うなあ。

 こんなふうに「カメラ」はどんどんと変化して(進化、といえるのかどうかはべつ)、いままで不可能だったことが可能になり、それにともなって写真表現も変化していくのかもしれない。古いオーソドックスな写真表現がいっぽうには厳然と存在し、もう片方には新しい写真の時代の新しい写真表現が生まれてくる。それはそれで愉しいではないか。