X10はX100の数倍は魅力的

富士フイルム・X10

 このX10については、次号(10月20日発売)の「デジタルカメラマガジン」で解説とインプレッション、開発者とのインタビューの記事を掲載している。なので、X10に興味のある方はぜひ雑誌を購入して読んでください。というわけで、ここでは、その記事で言い足りなかったこと、書き忘れたことなどの「補足」にとどめたい ―― もったいぶっているわけではないぞ。

 さて、Xシリーズの1機種目のX100が予想以上に売れたことと、予想もしてなかったほど女性ユーザー比率が高かったこともあって、フジはこれに気をよくしたのか、イケルぞと自信を持ったのか、2機種目のX10ではもっともっとユーザー層を広げようと、初心者でも気軽に使えるカメラに仕立てている。

 X10の外観デザインや操作方法などのカメラスタイルは、X100と似てじつに男っぽくてクラシカルである。しかしその中身はX100と大きく異なる。たとえばX10にはP/A/S/Mの基本モードのほかに、シーンモードがあったりEXRオートがあったり、画像処理で背景をぼかして撮れるモードなど、初心者でも撮影が愉しめる機能を盛り込んでいる。フルHDの動画撮影もできる。手ブレ補正の機構もある。


 対してX100の撮影機能もスタイルも、質実剛健というかそっけないというか。いやそこがX100の魅力なんだろうけど、しかしX10といっしょに使って撮影をしてみると(X100が見劣りするというわけではないが)、X10の良さがあらゆる面で際立ってくる。ファインダー内に、表示がまったく出てこないなどの不満はあるけれど、カメラ、ズームレンズの操作感はすこぶるよろしい。

 画質について言えば、通常ISO感度範囲内ならX100と比べても“ほとんど見分けがつかないほど”優れた画像が得られる。高ISO感度での画質は、やはりX100のほうがイイけど、それでも1EV程度の「差」ぐらいしかない(X10の高感度ノイズはツブがキレイに揃っていてそれほど不愉快ではない)。
 X100には手ブレ補正の機構がない。開放F値が明るくてもX100ユーザーは手ブレにはきっと相当に悩まされていることだろう。ブレてしまえばせっかくのレンズも台なしだ。X10には2~3段ぶんを補う手ブレ補正の機能がある。内蔵ズームレンズの性能も“単焦点レンズなみ”と言ってもいいほどの素晴らしい描写力だ。その描写力を最大限に発揮できるのがX10のいいところ。

 カメラの扱いやすさ、写りの良さ、カメラらしいスタイル、高品質な仕上げなどなどを総合的に見比べてみると(X100には素晴らしいハイブリッドファインダーがあるけれど)、X10のほうが「数倍」は魅力的カメラだと感じる。