GXRシステムの大義名分

リコー・GXR+RICOH LENS A16 24-85mmF3.5-5.5

 GXRはユニット交換式カメラとよばれている実にユニークなシステムカメラである。基本的には「ボディ」と「カメラユニット」を組み合わせて使用するスタイルだ。ボディには、レンズと撮像センサー“以外”のデジタルカメラ構成部品や操作系が備わっている。カメラユニットには ―― 「カメラ」との名称がいまだに違和感ありなのだけど ―― レンズと撮像センサーを一体化して画像処理エンジンも内蔵させている。

 当初のGXRシステムは、撮像センサーと使用するレンズを「一体化」してパッキングすることで、つまり、撮像センサーの特性を最大限に発揮できるレンズ設計をしてそれと組み合わせればより高画質な画像が得られるし、コンパクト化や気密性にも優れる、とのコンセプト(大義名分)でスタートした。
 ところが、レンズのない撮像センサーだけの、ライカMマウントの「レンズマウントユニット(A12)」を発売して、そこでGXRシステムの大義名分を捨ててしまった。


 リコーがGXRの大義名分をみずから捨ててしまったことについて、それを揶揄する人もいるようだけど、ぼくは、ええじゃないか、べつにそんなことは、と考えている。時代がどんどん変化しているなかにあって、いつまでもムカシに打ち立てた大義名分にがんじがらめになっていては進歩も発展もない。民主党を応援するつもりはないけれど、現にマニフェストだって時代の流れを見て(だけではないけど)あっさりとチャラにしているじゃないか。
 だからMマウントレンズが使用できるレンズマウントユニット(A12)がGXRシステムに新しく加わっても、いちゃもんを言うつもりは毫もない。

 おおっイケナイ、いきなりハナシが横道にそれてしまったけれど ―― GXR用のペンタックスKマウントユニットの開発秘話を、と考えてたのだけどソレはまたいずれということで ―― この新しいレンズユニット(A16)は、もともとの「大義名分(コンセプト)」に沿って撮像センサーとレンズを最適化させて設計開発されたものである。
 ただ、初めてこのA16レンズユニットを見たときはさすがに、うーんちょっと、そのレンズの大きさにたじろいだ。レンズ性能を最大限に追い詰めたために仕方なく大きくなってしまった、というのでもないらしい。デキが良ければ「GR LENS」と謳うはずが、「RICOH LENS」になっているのを見れば、なんとなくそれがわからないでもない。もちろん、RICOH LENSだから性能がイマイチだなんてことはゼッタイにないのだけど(それは撮ってみればわかる)、でもなぜこんなに“おおげさ”なレンズになっちゃったのか不思議だなあ。