光学式ローパスフィルターを外す

リコー・GXR+RICOH LENS A16 24-85mmF3.5-5.5

 このA16カメラユニットには、APS-Cサイズ相当の約1620万画素CMOSセンサーが採用されている。ニコン・D7000やペンタックス・K-5などに使用されているCMOSセンサーと“基本的”には同じもの(と思う)。
 ただし、それらとA16のそれが異なるのは、A16では光学式ローパスフィルター(OLF)が省略されていることだ。A16は、A12マウントユニット(APS-Cサイズ相当のセンサー使用)と同じくOLFを外している。OLFの弊害は、ほんらい備えている解像感を“わざと”低下させ画質を悪化させていることだ。一部のコンパクトカメラを除いて、現在の多くのデジタルカメラは、偽色(ぎしょく、にせいろ)やモアレ(干渉縞)を目立たせなくするために ―― OLFを使用しても偽色やモアレが発生することもある、ここは重要 ―― やむを得ず使用しているものが多い。

 OLFは必要悪、と考えられてきたが、最近になって画像処理技術、とくにデモザイキングやその他の処理技術が進歩したりして(ほかにも理由があるが)OLFを外す機種もちらほら出てきた。デジタルカメラのパーツの中ではOLFは撮像センサーに並ぶほどの高価な部材の1つで、このOLFを使用しないだけで大幅なコストダウンがはかれる。いうまでもなくコストダウンだけではなく画質(解像感)が大きく向上する。


 しかしOLFを取り去ると偽色やモアレが発生しやすくなるという心配もある。でも、それははっきり言って机上の空論だ、とぼくは断言したい。
 実際に、OLFなしのデジタルカメラをだいぶ以前から何台もぼくは使ったこともあるし、現在も使い続けている。しかし写した森羅万象の画像に偽色やモアレが出たとか、出て困ったとかの経験がほとんどない。
 万が一(ほんとにその程度の確率だ)偽色やモアレが出たとしても、よほどの眼力を持って目を皿のようにして見て、ようやく「発見」できるというレベルだ ―― むろん、おおっ出ているゾ、とはっきりと見えるシーンに出くわすこともあるだろうが(ぼくは、ない)、それは希有なことだろう。そして、いまでは撮影後の画像処理や撮影時のちょっとした工夫などで、簡単に偽色もモアレも「消す」ことができる。

 OLFのあれこれの話をするとキリがなくなるのでこのへんでやめておくけれど、とにもかくにも、OLFをなくせば解像感が飛躍的に向上することは確実。つまり、写りが良くなる。であるからして、ついでだから言っておくけれどニコンのD800/D800Eで、一般のユーザーが高解像力であるD800EではなくD800のほうを選ぶというのは、どう考えても理解できない(D800EはOLFがない、のではなく効果をなくしている)。
 話を元に戻すが、つまり、OLFのないA16カメラユニットは1620万画素の高画素と、ズームレンズながらレンズ描写の実力(なかなか味のあるナチュラルな描写)を最大限に発揮して優れた画質が得られるし、実際に写してみたらその通りで、とても解像感と味のある描写でありました。

 ところで、このA16カメラユニットのレンズ鏡筒が、まるで「ドカン」のように素っ気ないスタイルなのが気になっていた。そこで、ほらこんなふうに、ズームレンズのラバーを巻き付けてみたら(右側の写真)、ぐんっと“レンズらしく”カッコ良くなったではないか。