クローズアップ撮影できないカメラ

キヤノン・PowerShot G1 X

 G1 Xの使用感は、うーむ残念…というのが正直なところであります。画質は文句なしに素晴らしいのだけど、操作性が、とくにAFがいけませんね。AFの測距スピードも、最新型のセンサーを使用していることを考えると、ぼくは不満が残る。
 いや、AFスピードうんぬんよりも、近距離でピントが合わないのが困りました。
 この近距離ピント合わせ苦手は、AFの測距性能の問題ではなく(それも、まったくないとは言えないけど)、仕様として近距離にピントが合わせられないレンズなのだ。いや、それにしても、もうちょっとナンとかならなかったのかと、使っていてストレスがいっぱい溜まった。

 ですから、もし、このG1 Xの購入を予定しておられるなら、まず、G1 Xを手にして試してみるべきです。近いところや遠いところに、ズームしながら(望遠側で)ピントを合わせてみて、「うん、これなら我慢できる」と納得した上で購入したほうがいいでしょう(ぼくは納得しにくいけど)。

 G1 Xの最短撮影距離は、ワイド側では40センチ、ズームしてテレ側にすると1.3メートルまでしかピントが合わない。
 マクロモードに切り替えると、ワイド側は20センチ、テレ側では85センチになる。でも、テレ側の85センチってのは、実際にピントを合わせてみればわかるけど、相当に“遠い距離”だ。焦点距離100mm程度のレンズで(G1 Xは28~112mm相当のズーム内蔵)最短85センチってのは、はっきり言って「実用範囲外」の距離だと思う。


 G1 Xの前モデルの(というのもヘンだけど)G12の最短撮影距離は、ワイド側で5センチ、テレ側でも30センチである。マクロモードにすると、テレ側では30センチ最短は同じだが、ワイド側では1センチまで寄れる。こうしたG12の最短撮影可能距離のことを考えると、G1 Xがいかに近距離撮影“不能カメラ”であるかがわかる。

 さらに、G1 Xは、というよりもG12もそうなのだが、P/A/S/Mなどの通常撮影モードから完全カメラお任せのAUTOモードにすると、マクロモードに切り替える操作なしに無限遠距離からマクロモードの最短撮影距離までシームレスにピントが合わせられる。
 こんなことなら、P/A/S/M通常モードでも、マクロ切り替えなしのシームレスでピントが合わせられるようにしておいてくれればいいじゃないかと(キヤノンがそうしない理由はナンとなくわかるんだけど)。キヤノンのコンパクトカメラのマクロモードには、まだもう1つ、大きな問題点があって、そのハナシは後日にでも。