IXY 3の総画素数と有効画素数の「差」

キヤノン・IXY 3

 今日、3月11日は東日本大震災がおこってちょうど一年になります。被災されたかたがたに、あらためて心からお見舞い申し上げます。


 昨日のブログでIXY 3が(IXY 1もそうだけど)、総画素数約1680万画素の撮像センサーを使いながら有効画素数が約1010万画素になっていて、その差、約670万画素はどうなったのか、とクイズのようなものを出した。本日は、その解答。いや、正解かどうかは、キヤノンに問い合わせたわけではないのでナンとも言えないので、以下はぼくの「見解」であります。

 約670万画素はなんにも役には立っておらず捨て去られている、といってもよい。では、なぜそんなムダでモッタイナいことをしているのか。カメラを、より小型化するためである。
 小型のコンパクトカメラを作るには、まず内蔵レンズを小さくする必要がある(ほかにもあれこれあるけれど)。いまのコンパクトカメラに内蔵のズームレンズに要求されるのは、1つは高倍率化、もう1つは小型化である。そこで高倍率で小型のズームにするためにIXY 3/1では「屈曲沈胴プリズム退避鏡筒」という方式を採用している。その、なんとかかんとか鏡筒とはどんなものかはここを見てもらえばわかると思う。YoutTubeの動画(以前、IXY50sの解説のときにアップロードしたものである)。

 この方式を採用することで光学12倍ズームという高倍率にもかかわらず、収納時にボディからレンズ部が飛び出さずにフラットにできた。


 もう1つ、レンズをより小型化するには「実画面=撮像面積」のサイズを小さくするという方法がある。
 つまりIXY 3/1では、1/2.3型サイズのセンサーを使ってはいるが、その中心部の限定された小さな範囲を実画面にすることで、レンズがカバーするイメージサークルが小さくでき、結果的にレンズを小型化しているのである。

 じゃあ始めから1/2.3型よりももっと小さなセンサーを使えばいいではないか、とおっしゃられるでしょう。しかし、キヤノンがヨシとするような適当なセンサーが存在しなかったのだ。IXY 3/1に使用するセンサーの選択肢として総画素数約1680万画素の1/2.3型裏面照射CMOSしかなかったのだろう。

 むろん、1/2.3型裏面照射CMOSには総画素数約1280万画素などもあるけれど(IXY600Fに採用)、それを使うと有効画素数は1000万画素を下回ってしまう。約1680万画素が約1010万画素に減ってしまう理屈で言えば、約700万画素程度になってしまう。実質的な有効画素数が1000万画素以下なんて、いまこの時代にカメラを売ることを考えれば論外。
 カメラの小型化、レンズの高倍率化、そして撮像センサーの高画素化の3つ(コンパクトデジタルカメラの三種の神器)をバランスよく合わせようとした結果が、ムダを承知で約670万画素を捨ててしまうことになったわけだ。

 ところで、IXY 3とIXY 1の「違い」について簡単に説明。「3」になくて「1」にあるものとしては、Wi-Fi対応、液晶モニターサイズが3.2型ワイド、タッチパネル式の3つで、他の機能や機構は「3」も「1」も同じ(たぶん)。これら「3」や「1」には、ぼくが注目している撮影機能がひとつあって、それについては、話が長くなりそうなのでまた機会があれば、ということで。