オートポートレートフレーミング

ソニー・α57+DT 18ー55mmF3.5~5.6

 写真撮影で大切なことが3つある。ピント、露出、構図。このうち、構図を除きピントも露出も飛躍的に自動化が進んでいる。AFとAE。ともに、カメラを向けて写そうとしたシーンを自動判別して最適なピントと露出を決めてくれるようにまでなった(まだまだ完璧とはとても言い難いけれど)。
 ところが構図だけは、ピントや露出ほどに自動化が進まない。いままでに、カメラはあれやこれや“構図自動化”へのチャレンジはしてきているのだが決定打がでない。そもそも構図の自動化なんてあり得ないぞ、神に対する冒涜だ、余計なおせっかいだ、創作の自由を奪うもの、と強い反対意見がでるのは承知の上だが、ぼくは構図の自動化をずーっと待ち望んでいた。これからのカメラがやるべきことの、いちばん大切なことは構図の自動化だ、と強く思っていた。

 そこに出てきたのがソニーのα57。このカメラには新しい機能として本格的な構図自動化の第一歩となる「オートポートレートフレーミング」が搭載されているのだ。画期的、歴史的カメラだと言ってもいい。
 被写体は人物に限定されるのだが、カメラが自動的に“ベスト”な構図の写真に仕上げてくれる。つまり、人物にカメラを向けて撮ると、写した写真画像から顔を認識し、あらかじめ搭載された構図パターンに照らし合わせて素早く「トリミング」し、その画像がオリジナル画像に加えてもう1枚、記録保存される。


 顔認識の機能を利用してベストな構図を「作りだす」という、被写体は人物限定ではあるがこれはグッドアイディア、さすがソニー、すごい、素晴らしいです。
 この構図でいいのだと、まず1枚を写す。ところがカメラは、いやいやそれじゃあ甘い甘い。こんなふうに、もう一歩踏み込んで、ほらタテ位置構図にして、このフレーミングで撮るんですよと、おすすめ構図を見せてくれる。元画像もあるから、じっくりと見比べて自分の構図の足らざるところを反省しなさい、と。

 まあはっきり言えば、カメラが先生となって添削してくれるわけですが、しかしこの先生、いささか気分屋のところもある。その先生の指導にしたがって添削済みの構図と同じにしてもう一度、撮り直すと、いやいやそれじゃあだめだめ、とまたトリミングされる。ええい、悔しいともう一度チャレンジしても、またダメがでる。そんなことを繰り返しているといい加減、落ち込んでくる人もでてくるだろうが、そうかそうか、そんなテもあったかと新発見をすることもあり、あははは、ぼくはじつに愉しかった。

 画像認識技術がもっと進化していけば被写体が人物でなくても、このオートポートレートフレーミングの機能と似た構図自動化も不可能ではないはずだ。たとえば、花の認識ができたり、木々や山並み、建物などの画像認識ができるようになれば ―― 荒唐無稽、とは言い切れないぞ ―― 同じような手法で構図自動化ができるはず。いやあ、おもしろい時代になりましたなあ、これでまた、将来のカメラの進化にますます期待ができるぞ。