デジタルレンズオプティマイザ・その1

キヤノン・EOS 5D Mark III+EF24ー105mmF4L IS

 昨年秋、EOS-1D Xの発表の頃だったろうか、「今度バージョンアップされるDPP(Digital Photo Professional、キヤノン専用のRAWファイル現像ソフト)で、回折現象が補正できる機能が盛り込まれるようだ」、といったハナシを聞いた。「そんなバカなぁ、回折でフレアボケした画像が後処理で補正してシャキッとできるなんて、それナニかの間違いじゃないか」と、ぼくは、にわかには信じられなかった。

 その後、回折現象を補正する技術についていろいろと調べてみたら、なんと、既にそうした補正技術が実用化していることがわかって、少しびっくり。デジタルって凄いよねえ、フィルム時代ならあり得ない、想像もできないことだった。
 5D Mark IIIの発表のときに新DPPも発表され、その、信じられないハナシ(回折現象を補正するだけでなく、その他の諸収差もデジタル補正できること)がホントウだったことがよくわかって、大いにびっくり。


 新DPPに搭載された新しい画像処理機能を「デジタルレンズオプティマイザ(DLO)」、とキヤノンは名付けている。カンタンにいえば、レンズの光学的な収差や回折、そしてローパスフィルターの影響により劣化した画像を画像処理で補正をして画質を向上させるというもの。各レンズの絞り値や撮影距離などでの描写特性と補正方法と量を数値化して、それをもとにして最適な画像処理をする技術。

 だから各レンズの詳しい「情報」を調べて「数値化」してデーターを作っておく必要がある。レンズの「情報」については、やはり設計し製造したメーカー自身が“酸いも甘いも内緒のことも”よーく知っている。どんなデジタル的な処理をすれば最適な補正効果が得られるかもよく知っている。
 と、カンタンそうに言ったけど、たぶん大変な作業だろうと思う。現在、デジタルレンズオプティマイザの処理に対応したレンズが、約30本程度と限定されているのは、きっとそうした理由によるものだろう。
 とはいえ、現状は対応レンズの数が少ないことと、対応レンズのほとんどが高性能レンズが多いことが、とくに残念なこと(高性能レンズは補正の必要性はそれほどないはずだ、たくさんのヘボレンズにもっと対応して欲しいよね)。つづく。