躊躇なくD800Eがおすすめ

ニコン・D800E+AF-S NIKKOR14-24mmF2.8G

 D800もD800Eも約3630万画素という高画素とローパスフィルターの仕掛け“だけ”が注目されすぎている気がしないでもない。その2つのこと以外の、カメラとしての基本性能や機能(良くできている)については、ほとんど話題にもあがらないのはいささか奇妙な感じもする。
 それにしても、センサーの画素数が多いことがこんなにもインパクトがあるのかと(わかっているつもりではあったけど)あらためて感じ入ったしだい。高画素カメラなんてイラない、と、いままで張り切っていた人たちも、手のひらを返したように高画素のD800/D800Eを“絶賛”しはじめていて、じゃあその人たちが高画素やローパスフィルター以外のカメラ性能についてD800/D800Eを評価しているかと言えば、どうもそうでもなさそうだ。

 やっぱりなあ、ナンだカンだといったところで高画素イコール高評価に結びつくようだ、いまのデジタルカメラは。

 繰り返すようだけど、D800/D800Eには高画素とローパスフィルターの仕掛け以外にも、もっと注目し評価すべきところがあるカメラだと思う。デジタル一眼レフカメラとして完成度はとても高い。視野率が約100%であることや、91000ピクセル画素のRGBセンサーのことや、高画素センサーにもかかわらず高ISO感度での優れた画質のこと、そして内蔵ストロボを備えていること、などなど。
 このほかにも、目立たないけれど「大向こうを唸らせるような機能」や「地道な改良」もたくさんある。しかしいまここで、それ解説するとなると相当にディープな話になってしまうので遠慮しておく。


 ところで、D800とD800Eの違い、はただひとつ、ローパスフィルターの仕掛けが異なること。その仕掛け(コロンブスの卵みたいだ)のおかげでD800EのほうがD800より高解像力高画質であるということだけ。そのほかのカメラ性能や機能すべてについてはまったく同じだ。
 ぼくは当初、使って撮ってみる前まではD800よりもD800Eのほうが解像描写力は“断然”すぐれていると思っていた。差は大きいと考えていた。しかし、両機種を使って撮り比べてみたら、予想していたほどの「差」がない。確かに、よく見ればD800Eのほうが解像描写力は高かった。「この程度の差か…」というのが素直なファーストインプレッションだった。

 しかし「この程度の、わずかな差」とは言ったけれど、じっくりと撮った画像を見比べてみると、やはりぜんぜん描写力、解像力が違うことに気づく。近景を写した被写体ではそれほど違いは明瞭ではない。ところが、とくに遠景の微細な被写体を撮影した画像を見ると、D800Eのほうが明らかに解像描写力が高い。わずかな差ではあるが、やっぱりそうだよなあ、こうなると躊躇することなくD800Eのほうだよなあ、とつくづくそう思った。

 D800Eにはモアレや偽色の心配があるじゃないか、とおっしゃる向きもあろうが、しかし、そうそう頻繁に出て目立つものではない。そんなもんD800だって出るときは出る、写るときは写るもんだ。実際ぼくは、いままでにローパスフィルターなしのカメラ(D800Eとは違い、ほんとうにフィルターなしのカメラ)をたくさん使ってきたが、モアレや偽色が出て「あちゃー」なんてことは一度もなかったぞ ―― 上の写真、一部にモアレ、偽色のように見えるかもしれないが、元画像にはまったく出てませんからね ―― ということを言っておきますね。