使いこなすには覚悟が必要だぞ

オリンパス・OM-D E-M5+M.ZUIKO DIGITAL ED75mmF1.8

 F1.8の大口径で、約150mm相当の望遠系マイクロフォーサーズ用レンズである。
 めちゃくちゃよく写るレンズだ。こんなに写ってしまうレンズの描写を、いちどでも見てしまうと、いままで「良いレンズだ、良い描写だ」と信じていたレンズが、まるで“あほ”みたいに見えてくる、とは言い過ぎだけど、ま、当たらずとも遠からず、か。
 描写性能が素晴らしいと評判だった45mmF1.8よりも良い。しかし、使いこなしはそれなりに、いや、たぶん思ってる以上に難しいレンズであります。よくよく覚悟して撮影に挑むべきレンズだ(老婆心ながら忠告)。

 ナニが難しいかといえば、それは、イチもニもなくピント合わせ。とくにF1.8の開放絞り値やF2あたりに絞りを開けて、かつ近距離の被写体を撮ろうとしたときである。どこにピントを合わせたいのかをよく考え-(1)、ピントを合わせるポイントを決めたら-(2)、狙ったところに慎重にピントを合わせて-(3)、ピントがズレないように注意して-(4)、丁寧にシャッターを切って-(5)、撮影をしないと“大失敗”になります(ただし、PENシリーズもOM-Dシリーズも、AF測距フレームが大きすぎる、というカメラ側の根本的モンダイもあるけれど)。


 いや、脅かすつもりはさらさらないのだけど ―― 150mmという画角も“難”のひとつだが ―― 誰でもがカンタンに鼻歌交じりに使いこなせるレンズではないですよ、ということを言いたかっただけ。と、エラそうに言っておりますが、ぼくは、この75mmレンズを使ってて、ほんと、とっても苦労させられた。
 そりゃあ、そこそこに絞り込んで中距離、遠距離の被写体を写すぶんには、ごくふつーの焦点距離150mm望遠レンズである。モンダイは、150mmの望遠レンズでF1.8の大口径レンズだということだ。当たり前のことを言うようだが、85mmF1.8クラスのレンズとは大違いだ。

 もし人物を撮影するときは ―― 女性を写す場合は肌が美しく化粧がよほどウマい人を選ばないと予期しない諍いが起こるかもしれないので要注意ですぞ ―― 新型のPENシリーズやOM-D E-M5に搭載されている顔優先AFの「瞳検出モード」を選んでおくことを、ぜひおすすめしたい。そのモードにセットしておけば開放F1.8でも、フレーミングを自由に選んで撮影してもかなりの確率で“眼”にピントがばっちりと合う。まあまあ楽ちんに撮影はできるが、しかし人物以外の被写体をアップ気味に写すときは相当に神経を使う。…あれやこれやと、疲れるレンズだ。