レンズのデジタル収差補正

ソニー・DSC-RX100

 ブログを、周囲の反対(ウソ)を押し切って「再稼働」してその2回目。

 それにしても小さなレンズだ。28~100mm相当の3.6倍沈胴式ズームレンズ。F値はF1.8~F4.9。望遠側でF4.9とやや暗くはなるが、撮像センサーは1.0型の、このテのカメラとしては“大型”のセンサーをカバーするレンズですぞ、いや、それにしてもすばらしい。設計も生産も、相当に苦労したか無理をしたか。
 もし無理をしたとしたら、その無理をどう帳尻を合わせただろうかと興味がつきない。撮ってみれば“何ごともなかったかのように”ごくフツー(以上)に写っている。

 ただ、ちょっと気になるところもなくもない ―― ぼくが気にしすぎるのかもしれないが。
 とにかく写してみればわかるけどディストーション(歪曲収差)が「まったく」目立たない。気味悪いほど直線が直線に写る。ほんものの柱は少し弓なりに曲がっているにもかかわらずRX100で撮るとまるでカンナで削って修正したように真っ直ぐに写る、いやこれは冗談だけど、それくらい歪まないで直線に写る。

 このRX100で京都の街や寺や神社を撮ってたんだけど、柱も桟も軒も襖も障子も息をのむほどに真っ直ぐに写る。おいおい、ちょっとやり過ぎだぞ、と撮りながらそう思ったほどだ。
 そう、画像処理でレンズ補正をやっているのだ。でないと、あれだけの小さくてF値の明るい3.6倍ズームが歪みなく写るわけがない。「無理」の帳尻をここであわせている。
 ここで誤解してもらっては困るのだけど、デジタルレンズ補正がナニも悪いと言っているわけではない。むしろ、ぼくはレンズの収差補正などをデジタル画像処理でおこなうのを歓迎し推奨しているほうのクチだ。


 でも、ほんらいはレンズのデジタル収差補正はやらないほうがイイに決まっている。補正処理をしなくても良く写るレンズを設計し製造するのが「理想」だ。しかし、世の中そうはいきませんよね、なにごとも。そのへんは皆さんのほうが百も承知、千も合点でしょう。
 というわけでRX100では画像処理でレンズの歪曲収差を目立たなくしているわけだけど ―― あ、そうそう、言い忘れてたけど、デジタル収差補正をしてるなんてソニーはひと言も言ってない、ぼくが勝手にそう思い込んでいるだけだ ―― 歪曲収差のデジタル補正は「やり過ぎる」と弊害が出てくる、という専門家もいる。

 どんな弊害かというと、立体感や奥行き感が不自然になる、というのだ。だから、あるメーカーの専門家は「うちの場合、意図的に少し歪みが残るように」処理をしていると言っていた。ノイズもそうだけど、いまは、ないよりあったほうがいいとも言われ始めている。なにがナンでも画像処理で目立たなくしちゃえばイイって時代ではないのだ(ノイズの話をし出すとキリがなくなるのでやめるけど、言いたいことはヤマのようにある)。
 だからかどうか、RX100で撮影したその画像を見ていると、どうも平面的で、なんというか、写真的な奥行き感がいまいち乏しい気がするのだ。そんなの、おまえの気にしすぎだ、先入観で見ているからだ、と言われれば、うーん、返す言葉がないのだけど。