IXYと、どこがどう違うんだPowerShot

キヤノン・IXY430F

 いま、どのメーカーも、コンパクトデジタルカメラを今後どんなふうに展開していけばいいのかについて頭を抱えているところではないだろうか。売れている価格帯といえば1万円台と3万円台が中心で、2万円台のカメラが少ない。2万円台のカメラ作って売り出しても、あっというまに1万円台に値崩れしてしまうからだ。
 たとえばだが、機能的、性能的に1万円台と3万円台の中間に位置するカメラということで、2万円台のカメラを作ったとしても、明確に「差」をつけることもできず、曖昧なコンセプトのまま売り出すから ―― いままではそれでも良かったけれど、いまはユーザーの眼力は相当に厳しくなってきている ―― だからメーカーが狙ったように、思惑通りに価格を維持できず、どんどんと値下がりしてしまうというのが現状ではないのか。

 だからその解決策としていくつかのメーカーは、コンパクトカメラに高画質という付加価値を持たせ、少しぐらい値崩れしても耐えきれるだけの「高い価格」にして、そこに活路を見いだそうとしていのかもしれず、そのひとつが、いわゆる高級コンパクトカメラではないだろうか。
 いやいや、そんな話は本日のテーマでないのだ。
 メーカーにとってとても苦しい状況にあるコンパクトカメラ市場にあって、キヤノンもまた、苦労し悩んでいるんだなあ、ということがテーマ。


 キヤノンのコンパクトデジタルカメラには「IXY」と「PowerShot」という“コンセプト”の異なった2つのラインナップがある。IXYシリーズは小型でスマートなデザインを守り続けてきたカメラで、カメラとしてのツクリの良さをとても大切にしてきた。いっぽうのPowerShotは低価格カメラからGシリーズのような高価格カメラまで幅広くカバーして、どちらかといえばデザインよりも機能重視をコンセプトにしているところがあった。IXYとPowerShotにははっきりとした「違い」があった。

 ところが、最近になって、一部の機種だけどIXYとPowerShotの「違い」がタイヘンに不明瞭になってきてている。おい、これはIXYなのか、それともPowerShotなのか、と迷うようなカメラも出てきた。それを見ていると、キヤノンの迷走ぶりがなんとなく伝わってくる(ような気もしないでもない)。

 「IXY 430F」と「PowerShot A3400 IS」の最新型2機種を比べてごらんなさいよ。A3400 ISを「IXY 3400」とネーミングして店頭に並べても、誰もなにも疑いもせずに「あ、これIXYね」と思うに違いない。バッテリーはどちらも同じ超小型タイプだし、スリムでしゃれたデザイン。A3400 ISにはあの“無骨な”PowerShotのイメージはまったくない。
 というような話をキヤノンのある人にしたら、「IXYシリーズは、もとはといえばPowerShotのシリーズの中から派生したもので、その両者が似通っていたとしてもなんの不思議もありません」とカルく答えた。えっ、ぼくはそんな話は初耳だなあ。
 ぼくとしては、PowerShotはPowerShotらしくカッコにこだわらず機能重視の路線をキープしてほしいなあと思うわけです。

 ……なんだか本日は、まとまりのない理屈っぽい話になってしまったけどれ(いつものことか)、ま、許されよ。