ローパスフィルターの話、その2

ペンタックスリコー・K-5 IIs+DA☆50~135mmF2.8ED IF SDM

 先日からの「K-5 II/K-5 IIs体感セミナー」に参加していて、へーっと驚いたことは、K-5 II と K-5 IIs の違いについて知らない人が少なからずいたことだ。
 ペンタックスリコーのホームページにK-5 II/K-5 IIsの「FAQ」がある。そこに、「K-5 II は従来機種同様ローパスフィルターを搭載しています。K-5 IIs はローパスフィルターが無い機種です。ローパスフィルター有無以外の仕様の違いはありません」と書いてあるとおり、ローパスフィルターがあるか、ないか、ただそれだけの違い。

 もし、これに付け加えるとすれば、販売価格がK-5 IIs のほうが実販価格で約1万円ほど高い、ことだけだ。でも、K-5 II か K-5 IIs かどちらを、と問われれば、そりゃあ躊躇することなくK-5 IIs だ、とぼくは答えますね。小さな声で言いますけど、K-5 II を選ぶ人の気が知れない…。

 前回のこのブログでも述べたが、多くのユーザーにはモアレ/偽色による影響というのはごくごくわずかだと思われる。とくに、K-5シリーズのユーザーの撮影被写体ことを考えれば、あえてローパスフィルターありのK-5 IIを用意する必要などなかった。ローパスなしのK-5 IIs だけのほうが、ペンタックスリコーの明快な意気込みがユーザーにストレートに伝わったのではないかと思うわけだ。K-5 II/K-5 IIsのカタログを見たって、K-5 II のほうを「前面」に打ち出しているようでどうも煮え切らない。おいっ、もっと自信を持ってK-5 IIs のほうを売り込めよ、と思わないでもない。


 立ち位置の中途半端な ―― 存在意義がまったく不明な ―― K-5 II をなぜ作って売ることにしたのかその経緯は知らないが、たぶん、ペンタックスリコーの社内で、ローパスフィルターを外してしまうことに強く反対をした(古い型の)人もいたに違いない。そうした観念論的頑固者を説得させるために、仕方なく K-5 II を作ったのかも知れない。

 ニコンのD800/D800Eの前例(圧倒的にD800Eが売れている)を見ればそんなことわかりそうなもんだし、自社で既に売り続けているローパスフィルターなし645Dのユーザーのモアレ/偽色に対する反応も知っているはずなのに(クレームらしきものは皆無らしい)、いやほんとヘンだよなあ。

 ところで、D800/D800EとK-5 II/K-5 IIsの関係はいっけんそっくりのようだけど、大きく異なる点がひとつある。D800EはK-5 IIs のようにローパスフィルターを完全に取り去ってしまったのではない。D800EにはD800と同じローパスフィルターが「搭載」されている。ここに注目をしておきたい。
 D800Eは、ある方法で(説明はめんどうなので省略)ローパスフィルターの効果を打ち消して「ローパスフィルターレスと同じ」にしているのだ。D800Eにはローパスフィルターが「存在」することはまぎれもない事実で(ニコンもはっきりと認めている)、なぜ、K-5 IIs のようにキレイさっぱりと取り除いてしまわなかったのか、これはニコンの七不思議の1つだ(光路長がどうのこうのと説明を受けたがイマイチ納得できない)。…話が逸れてしまった。