今年の注目カメラ

キヤノン・PowerShot SX50 HS

 高倍率ズームを搭載したSX50は今年の秋9月中旬に発売されているから、"いまごろどーした"という感じもしないでもないが、このカメラはずっと気になっていたカメラのひとつだった。なんと光学50倍の世界最高ズーム倍率レンズを内蔵している一体型デジタルカメラである。
 というわけで、使ってみたのはもうだいぶ前になるのだけど、いやぁすごいカメラだった。すごい、と感じたのは光学50倍ズームレンズだけでなく、カメラとしての完成度の高さもだった。これは予想外。すごいカメラ、というよりも、すばらしいカメラ、使って愉しいカメラ、と言うほうがふさわしいほどのデキのよいカメラだった。とにかくバランスの良いカメラ ―― 備わっている機構と機能と操作のバランスがいい……


 ……と、ここまで書いていたところで、急な仕事が飛び込んできて一時中断。数週間も前のこと。そのままずるずると、結局、今日までほったらかしにしてしまった。
 なんだか、冷えきったビザを食べるみたいだけど、SX50の話を少し続けますね。



 内蔵のズームレンズは24~1200mm相当の50倍ズームレンズ。開放F値はF3.4ー6.5。と、思えぬほど小型なズームである。デジタルズームを利用すれば約2400mm相当の超望遠撮影もできる。
 「ふんっ、そんなもん使いものになるものか」と思っていたけどそれが予想以上の写りで、あははは、ぼくの勝手な思い込みだった。…やっぱりナンでも"体験"してみないことにはねえ、アタマで考えてるだけの観念論的評論家にだけはなっちゃいかん(体験するだけでイイんだとはいわんけれど)。

 センサーは1/2.3型の約1210万画素。ISO感度設定範囲はISO80ー6400。最高連写速度はピント固定だけど約10コマ/秒で最大10コマまで、AF連動だと最高約4.1コマ/秒となる。最短撮影距離はマクロモードにすると0cmー50cmの範囲に限定されるが、オートモードでは(AFスピードは少し遅くなるが)広角側で0cmー∞、望遠側で1.3mー∞になり実質的な撮影自由度は広がる。この最短撮影の機能に感心した。とにかく、近いところでも遠いところでも広角でも望遠でも超望遠でも自由自在に写せる、そんなカメラはそうそうあるもんじゃあない。
 
 ただ、ひとつ。強いて「欠点」らしきものを言うとすれば、太陽を画面内に写し込んだりすると"見本のような"ゴースト/フレアーが目立つこと。でもですぞ、他の優れた撮影機能と天秤にかければ、ま、いいか、と思ってしまうほどの魅力的なカメラだ。今年2012年の、レンズ固定式カメラの中では文句なしに「トップ3」に入る。