2本のEF24-70mm

キヤノン・EOS 6D+EF24-70mmF2.8L II USM

 昨年2012年のキヤノンは、カメラもレンズも正式発表した"発売予定日"がずるずると遅れることが多々あった。EOS-1D Xなどは2年越しだったし、「EF24-70mmF2.8L II USM」も何度も!発売予定日が変更になった。他のメーカでもこんなことはとても珍しく、とうとう「キヤノンはオオカミ少年だ」と悪口をいう人もいたほどで、キヤノンの関係者も辛かったと思う(この原因はおそらく2011年の震災の大きな影響を受けた宇都宮事業所の復旧の遅れではないかと思う)。

 昨年末、デジタルカメラマガジン誌で例年やっている各社インタビューをしたとき、キヤノンの真栄田さん(イメージコミニケーション事業本部長)に、ぼくが半分冗談でその件を話し始めたら、「今日はそれは言わないことにっ」と、とても辛そうに話を遮られてしまった。
 ともかく、その24-70mmF2.8 IIは、当初は昨年の春4月に発売されるはずだったのに、結局、9月になってしまった。ようやく発売にこぎつけた頃に、同じズーム焦点でF値の違う「EF24-70mmF4L IS USM」が発表になった(12月発売予定)。これには戸惑ったユーザーも多かったのではないか。


 とくに「F2.8 II」のほうを早々に予約したり買ってしまった人の中には悩んだ人もいたのではないだろうか。ぼくがもしそうだったとしたら、こころは千々に乱れるだろう。もう少し、1年ほど発売時期がずれていればあきらめはつくだろうけど、キヤノンも"罪作り"なことをしたもんだ。
 先日、その2本の24-70mmズームレンズを"同時に"使ってみたが、撮り比べてみたら「どちらを選ぶか、こりゃあ、ますますふんぎりがつかなくなるよなあ」というのが率直な感想。

 2本とも素晴らしい描写性能である。こと写りに関しては2本とも(ぼくには)まったく不満も欠点も感じない。とくにF2.8 IIのズームの描写性能はきわだって良かった。ズームレンズでは秀逸の1本(タムロンのSP70-200mmF2.8(A009)と並んで昨年のトップクラスのズーム)。交換レンズはこれからどんどん良くなっていくぞ、と先日、このブログでも書いたけど、F2.8 IIズームを使ってみて、うん、まったくその通りだ、と。

 むろんF4ズームのほうもタイヘンに優秀な描写性能なのだが、F2.8 IIはそれよりもワンランク上の描写なのだ。逆光にめちゃくちゃ強いこと、F2.8開放絞り値での周辺部の描写の良さ、この2つに大いに感心した。
 しかし、F4ズームのほうは手ブレ補正が備わっていて、さらに、最短20cmのマクロ撮影の魅力的機構も備わっているなど「機能的」な特長がある。