メカニズムのチカラ

アップル+iPhone 4S

 1月31日から始まった「CP+2013」は今日、2月3日が最終日。今年のCP+は各メーカーとも昨年のように、注目の"新製品お披露目"はほとんどなく、ちょっぴりパンチに欠けていた。でも、昨年とほぼ変わらないぐらいたくさんの人たちが来場していて、いつも通りの大混雑があちこちで見られた。

 各メーカーのブースで昨年と少し違ったのは(ぼくの印象だけど)、交換レンズの展示にチカラを入れていたことだった。レンズをもっと買ってもらいたい、というメーカーの思い(思わく)もあったのだろう ―― 誤解をまねく言い方かもしれないが、ボディを売るよりもレンズを売ったほうが"儲かる"からだ。
 いや、"儲け"はともかくとして、レンズ交換して撮影すれば写真の愉しみはもっともっと広がるのだけど、そのことをユーザーは知らない、感じていない。そこで写真文化をさらに普及させるためにも ―― ま、ひいては、売れる、ということなんだけど ―― 「レンズ」に注目してほしい、といういちめんもあったのかもしれない。


 CP+2013での各社ブースの展示で、いちばんおもしろかったのはシグマだった。
 ブースの少し奥まったところに"小部屋"を作って、そこにレンズ1本をほぼ完全に分解して並べていた。「レンズの解剖(Anatomy of Camera Lens)」。ズームレンズの17-70mmF2.8-4 DC MACRO OS HSMを徹底的にバラして ―― なんと、レンズキャップやフードまで ―― その部品のひとつひとつに名称をつけて展示していた。ぼくは、これを見て感動した。
 上の写真の大きなものは 「ここ」 。部品の名称が読めると思う。

 カメラやレンズを分解して部品を一覧するということは、どこのメーカーもよくやることだけど、それらとシグマがやったことの大きな違いは、ちっちゃなちっちゃなビスにまで、きちんと名前をつけて丁寧に展示していたことだった。ここまでとことん分解したというのもスゴかった。
 それにしても、1本のズームレンズに(AF、手ブレ補正、超音波モーター内蔵とはいえ)こんなにもたくさんのちいさな部品が使用されているなんて、恥ずかしながら、知らなかった。

 シグマの狙いのひとつは、これらのたくさんの部品のほとんどが「Made in Japan」であることをアピールしたかったことと、小さな部品ひとつひとつの「精度」と、それを組みつけていく「技術」を確保しなければ高性能なレンズは作れない、ということを伝えたかったのだろう。

 これからの日本のメーカー(カメラやレンズのメーカー)が大事にしていかなければならないのは、「メカニズムのチカラ」ではないかと思う。なんでもかんでもデジタルやエレキですませてしまおうとせずに、いまこそ、長年培ってきた「メカ力(めかりょく)」を発揮させ切磋琢磨すべきではないのだろうか、とシグマの展示を見てそんなことを感じた。