像面位相差AF

富士フイルム・X20

 X-Pro1やX-E1に使用されているイメージセンサーがX-Trans CMOSで、それ には像面位相差画素がない。X100SとX20が新しく使用した X-Trans CMOS II には像面位相差画素を組み込んでいる。位相差画素はイメージセンサー面の中央部に約10万個、全体の約40%の広いエリアに配置している。
 像面位相差画素を使うAFは、同じく像面のセンサーを使ってピント合わせをするコントラストAFに比べて測距スピードを速くできる利点がある。一眼レフカメラなどに採用している独立した位相差AFセンサーの方式よりもピント精度に優れているのも利点のひとつ。

 いっぽう、欠点としては暗いシーンでの測距が苦手であること、画像生成するための画素を位相差のために使用してしまうため画像情報をスポイルしてしまうことだ。
 しかし「II」では、低輝度時のAFは苦手のままであるが、画像生成の影響に対しては位相差画素に独自のマスキング方式を採用することでその欠点をクリアーさせている。カンタンに言えば、画素を位相検出のためだけに使用するのではなく、画像生成の役目も残すような構造にしているというわけ。


 コントラストAFでは、ピントを合わせようとしたときに被写体が手前なのか奥なのかを調べるために、いったんレンズを高速で前後させて被写体のコントラストをチェックする。この動作をウォブリングという。ウォブリングしたのちに、その方向にレンズを動かしてピントを合わせる。
 しかし位相差AFでは、被写体にカメラを向けただけで手前か奥かが判別できるので、ウォブリングの必要もなくスピーディーにレンズを被写体に向けて駆動することができる。

 ただし一眼レフカメラの位相差センサーを使用するAF方式にはひとつ「欠点」がある。それは構造上しかたのないことなのだが ―― ごく厳密に言えば ―― 正確なピントが得られないことがあるということ(詳しく説明したいが長くなるので省略)。
 しかし、像面位相差方式であれば、コントラスト方式と同じく「像面ダイレクト測距」であるためピントは正確だし、かつ、高速でAFできる。これが大きな「利点」だ。

 いっぽう像面位相差AFには、一眼レフ内蔵の位相差AFにはない「欠点」もある。低輝度シーン(暗い被写体)になると、AFがとたんにイクジがなくなることだ。
 そこで像面位相差AFを採用するカメラでは、明るいシーンでは像面位相差AFを、暗いシーンになるとコントラストAFに切り替えてピント合わせをおこなっているものも多い。X100S/X20もそのように明暗のシーンで切り替えてAFをおこなっている。