オンラインショップ限定販売

キヤノン・PowerShot N

 PowerShot Nは、いわゆる"限定モデル"のカメラではない。けれど、キヤノンオンラインショップに"限定"して発売される。カメラメーカーのネット直販のみで、市中のカメラ専門店や量販店などでは販売されない(日本国内のみで海外は異なる)。限定版カメラではなく通常版カメラで「直販のみ」、というのは初めてのことではなかろうか。
 ヨドバシやビッグ、キタムラなどの大型量販店が、よくも「うん」と言ったものだと思う。想像するにあれこれいろんなことがあっただろう。でもやはり、キヤノンだからこんなワガママ(販売店にとって)が通ったのかもしれない。弱いメーカーだったら、とてもとても…。
 メーカーと販売店との関係ってのは、押したり引いたりとかおべんちゃら言ったり強がりを言ったりと、そりゃあ、いろいろあるんですよ。

 いま、どこのカメラメーカーも、とくにコンパクトデジタルカメラについては急激な価格下落にアタマを悩ませているところだ。購買者にとってみれば価格が安くなることはうれしいことだろうけど ―― でも、そこそこの価格で購入したユーザーにとっては、あっという間の価格が下がってしまえば気分が悪いだろう ―― メーカーはたまったもんじゃない。実際、そうしたカメラ価格低下による「弊害」が出てきて、カメラやレンズの性能に"反映"される傾向がだんだんと強くなってきている。

 そこで、このカメラ価格の予想外の大幅低下になんとか歯止めをかけようと、その一手としてキヤノンが考えたのがオンラインショップ限定販売という方法だったのだろう。
 こうした販売方法については皆さん、あれこれご意見も感想もありましょうが、詳しい説明は省略するけど、ぼくとしては大賛成ですね。


 で、昨日、3月12日に、このPowerShot Nの第1回めの予約をおこなったところ、数時間で用意していた予約分が終了したという。最短記録したのはブラックモデルで、たった18分で初回分が終わったそうだ。ところでブラックといったって、ストラップとセットになったショートパンツのようなカメラケース(キヤノンは「ジャケット」といっている)が黒いだけで、カメラボディそのものはホワイトのみ。ブラックのほかに、ブルー、ピンク、柄ものが用意されている。

 この予約というのは2回ある(次回は4月12日)。予約が完了すればPowerShot Nの発売日である4月25日に確実に手元に届けられるという。予約したからといって、いますぐにカメラが手に入るわけではない。なお、4月25日の発売日からは通常通りのオンラインショップ販売がされるはず(ただし手元にカメラが届くまで日数はかかる、かも)。

 なぜ、こんなに"もったいぶったような"予約制度販売をキヤノンがやったかというと(以下、想像だけど)、注文してくれたお客にスピーディーに確実に届けるためには、数量の確保もしておかねばならないし発送作業もきちんと済ませておかなくてはならないからだろう。ムダがでないように生産計画も事前調整しておく必要もある。初めてのオンラインショップ販売だったのでキヤノンも失敗はしたくなかった。

 そして、いまのコンパクトカメラの価格状況でいえば、決して安くはない、やや強気の価格設定(税/ストラップ/ジャケット込みで29980円)のPowerShot Nが、いったいどれくらいの数量が売れるのか、その「不安」も大きかったのだろう(昨日、予約完了したときには、販売関係の社員に歓声があがったそうだ)。