クリエイティブスナップショット

キヤノン・PowerShot N

 PowerShot Nを使っていて、「愉しかった」、と前回のブログで述べたけれど、その理由の1つは撮影スタイル ―― カメラの構え方や操作のやり方 ―― が、いままでのカメラと大きく異なることもあったが、もう1つ、「クリエイティブスナップショット」の撮影モードも愉しかった。
 クリエイティブスナップショットは、すでに似たような撮影機能として、スマートフォンの、とくにiPhoneなどの撮影アプリケーションソフトにも同じようなものがたくさんある。キヤノンだけでなく他のカメラにも同様に見られる最近の傾向だ。既存のデジタルカメラが"新参"の多機能電話機の影響を強く受けて、いま、カメラが大きく変化しつつあるようにも感じる。良いことだと思う。

 1回シャッターを切ると自動的に6枚の写真が撮れて記録される。5枚の加工された写真と加工なしオリジナルの1枚である。加工された5枚の写真は、勝手にカメラがシーン認識してあれやこれや画像処理を施した画像になる。
 同じ被写体を同じフレーミングで撮影しても、5枚の写真のできあがりは、色調、露出、トリミング、画面アスペクトが、撮影するたびにランダムに変化し異なる。この「予想外」の仕上がりを見るのが愉しかった。
 撮るたびに、「おっ、そうきたか」と感心したり、「じゃあ、これはどうだっ」とピントを合わせる位置を変えたりフレーミングをわずかに変化して撮ってみたりする。そんなことを何度かやっているうちに、だんだんとNの考えていることがわかってきて、「おお、やっぱり、そうか…」と納得することもあったり、と、こんなふうにカメラと「やり取り」できるカメラはほかにはない。


 ちなみに、この写真は、同じシーンを7回つづけて撮影したものだが、これだけ変化のある写真ができあがってくる。Nの考えているパターンを探そうとしたのだけど、撮るたびに相手は「ひねりワザ」を繰出してくる。
 左端が加工なしオリジナル画像で、その右側の5カットが加工された画像である。

 このPowerShot Nはキヤノンのオンラインショップ限定で販売されるカメラなので、量販店やカメラ専門店などで、手にして試して、ということができない。店頭販売しないから、一般のカメラのようなカタログの用意もない。Nのことを知りたければキヤノンのホームページを見るか、キヤノンのショールームに出かけなくてはならない。
 こうした販売方法をわたしたちが、「キヤノンの傲慢さ」と受け取るか「キヤノンの信頼度」と考えるか ―― いや、そんな大袈裟なことでもないか……たかがカメラじゃないか。