「お買い得レンズ」かも

オリンパス・OM-D E-M5 + M.ZUIKO DIGITAL 75~300mmF4.8~6.7 II

 この75~300mmズームはマイクロフォーサーズ用交換レンズの中でもっとも望遠までをカバーするレンズ。35mm判換算で150mmから600mm相当だ。このII型ズームは、約2年前に発売されたI型の75~300mmの「後継レンズ」となるもの。
 いや、後継レンズ、というのは正しくないかな。光学的にも機構的なスペックも、理論的描写性能も、I型もII型もまったく同じである。だから、旧型よりも性能や機構を向上させたバージョンアップという意味での「後継レンズ」とは言い難い。旧型も、新型と併売だし…。
 こういう製品をいったいどのように名付ければいいのだろうねえ。

 新II型は、旧I型に比べて価格が安くなっていることが最大の特長である。現在の実販価格は大型量販店で、旧 I型が約6万8千円、新 II型は約5万3千円。旧型は発売から2年以上経過しての価格で、新型は発売されたばかりの価格、であるのに新型が安い。
 旧型と新型の相違点は価格のほかに、外観デザイン、ごくわずかだが大きさと重さ、そしてI型にはブラックとシルバーモデルが用意されていたがII型ではブラックモデルのみ、ということだけで、他のなにからなにまでが同じ。
 外観デザインは、旧型に比べ新型はすっきりとした印象になっている。

 ま、見てもしょうがないとは思うけど、オリンパスが公表している旧I型と新II型のMTF曲線図だ。上が「旧I型」で下が「新II型」だが、重ね合わせると寸分違わず同じ。


 言うまでもないが、MTF曲線図はあくまで理論値であり理想値である。実際にできあがったレンズを使って性能チェックし、それをプロットして曲線図にしているのではない。ぶっちゃけて言えば、ごくごくわずかな光学レンズ自体の性能バラツキや、組み立て時の製造誤差は考慮されていないということ。もし仮に、理想的な光学レンズを使って、まったくミスなく完璧にレンズが組み立てられた時に、これだけの描写性能がある(だろう)というのがMTF曲線である。

 I型もII型もレンズの光学的スペックがまったく同じなのだからMTF曲線が同じになるのは当然だ。
 「つくり込み品質」などと言われることもあるが、レンズについていえば同じものを作り続けていれば、製法の技術的向上もあるだろうし、組み立てする人たちの熟練度もアップするだろう。ユーザーからのフィードバックもあってそれが製品に反映されるだろうから、だんだんと製品の品質は良くなっていくものだ。そして、製造過程の合理化なども進みコストダウンもはかれる可能性もある(それが旧型よりも新型のほうが低価格になった要因かもしれない)。

 この新II型レンズも、「つくり込み品質」ということで言えば、旧I型よりも性能が良くなることはあっても悪くなることはあり得ないだろう。ぼくの経験から言っても、とくにレンズにはそうしたことがいままでに多く見られた。価格が安くなって性能も良くなっているのはイイこと。
 OM-D E-M5で使ってみたら、これがとっても相性がいい。このズームレンズはOM-Dユーザーには「お買い得レンズ」なのかもしれないね。このへんの話は次回にでも。