手間とコストをかけたレンズ塗装

ニコン・Nikon 1 V2+1 NIKKOR10~100mmF4~5.6 VR

 1 NIKKOR 10~100mmズームレンズのカラーモデルについての前回の続き。
 10~100mmレンズにはブラック/シルバー/レッド/ホワイト/ベージュの5色があって ―― この5色(ニコンのカタログから) ―― 、そして伸縮鏡筒(ズーミングすると伸びたり縮んだりする鏡筒部分)にも丁寧に塗装されていることが特徴である。

 この5色のうちブラック/シルバー/レッドの3本は、まるで金属鏡筒にアルマイト塗装したように見える。もちろん伸縮鏡筒はプラ素材。金属製でないなのでアルマイト処理による色づけはできない。とても手の込んだ塗装処理(加飾蒸着?)をしているのだ。
 では、なぜそうした塗装をしているのだろうか。理由は、ズームリングの金属リングカバーと塗装部分に違和感がないようにわざわざ特殊な塗装を施しているのだろう。


 いっぽうホワイト/ベージュのほうは通常の塗装だが、こちらも相当に手が込んでいる。レンズを手にしてじっくりと見てみればわかるが"厚塗り"である。数回、塗り重ねていることがわかる。
 重ね塗りをする理由は、プラ素材の地色(黒)が透けて見えないようにするためである。白色やベージュ色など薄い色はしっかりと重ね塗りをしないと、ほんらいのクリーンな色が出せない。とても手間のかかる塗装処理で、とうぜんながらコストもかかる。

 しかし"厚塗り"をすると塗料の厚みが増し、わずかだが鏡筒の外周径が太くなる。伸縮鏡筒はガタツキなくスムーズにズーミングするように高い精度で設計製造されている。塗装の厚みぶんで鏡筒が太くなり、伸縮するときにコスレが出てくる可能性だってある。
 ところが、ぼくが使っているホワイトについては、ひっかかるような現象はまったくなく、じつにスムーズにズーミングできる。このへんについて、デザイナーや塗装関係者の苦労はタイヘンだったろうと思う。