ニコンがNikon 1を依怙贔屓する謎

ニコン・Nikon 1 V2+1 NIKKOR10~100mmF4~5.6 VR

 ズームレンズの伸縮鏡筒に、ホワイトやベージュ(そしてシルバー)などの明るい色を塗装することにはちょっとした問題点があった。
 明度の高いホワイトやシルバーを鏡筒に塗装すると、明るい太陽光などがそこに反射して鏡筒伸縮する"つなぎ目"から光がレンズ内に漏れ込んでくる可能性だってあり得る。だから、こうした伸び縮みする鏡筒部分は黒色とムカシから決まっていた。そうした常識を覆して明るい色を塗ったことにぼくはびっくりだった。

 調べてみると、伸縮する鏡筒の"つなぎ目"のぎりぎり見えない部分までは地色の黒のままにして、光がレンズ内に漏れ込んでも影響がないようにしているらしいのだ。鏡筒をめいっぱい伸ばして見える部分だけに塗装をしている。こうするには、塗装時にテーピングなどの処理をしてから塗装を施しているに違いない。


 こんなふうに手間もかけコストもかけてるから、レンズ外観の見栄えはじつによろしい。上の写真が収納時で下の写真がズーミングして100mm望遠状態
 レンズはもちろん描写性能が第一に重要だけど、しかし、見栄えの良さ、姿カタチの良さ、使い勝手の良さ ―― これはすべてデザイナーの責任だ ―― というのもレンズにとってとても大切なことではないかと考える。写りさえ良ければデザイン(スタイリングと操作性)などどうでもいい、なんていうのは"めちゃくちゃ論"だと思う。

 それにしても、ニコンはなぜ、ここまでNikon 1に手間もコストもかけているのだろうか。この10~100mmズームに限らずだけど、交換レンズも含めNikon 1シリーズにたいするニコンの「溺愛偏愛ぶり」は並大抵のモノではない。依怙贔屓しているようにも見えなくもない。
 しかし、ニコンが懸命にNikon 1に肩入れしているのに、反応がいまいち芳しくないのがちょっと淋しい…。