なんちゃってレンズ

ペンタックスリコー・PENTAX Q7+07 MOUNT SHIELD LENS

 PENTAX Qシリーズ用の7本めの交換レンズとして発売されるのが「07 MOUNT SHIELD LENS」である。はっきり言えば、なんちゃってレンズ。過度の期待は禁物の、それなりの写りのレンズである。
 ぼくは、使う前に少なからずの「期待」を持って胸膨らませてたけど、ぼくの期待していたところ(のちほど説明)からややハズれていてがっかりだった。言うまでもないけど、ぼくの期待とあなたの期待が異なればこのレンズの評価もまた違ってくる。「これはいいレンズだ」ということも、じゅうぶんにありうる。ぼくのこの感想はある"一面"に過ぎない。

 同様のスタイルのレンズには、オリンパスが昨年の秋に発売した「ボディキャップレンズ(BCL-1580)」というのがある。しかしこの07レンズはオリンパスのそれとはだいぶ違う。オリンパスのレンズのほうは3群3枚構成でMFだけどピント合わせができる。それなりにレンズの体をなしている。画角は30mm相当でF8固定。やや広角。

 いっぽう07レンズはといえば、1群1枚のレンズ構成(って、いうかどうか)で、ピントは固定式。レンズ焦点距離は11.5mmだからQ7での画角はだいたい53mm相当の標準画角になる。文字通りの「単玉(たんぎょく)レンズ」だが、いままでのレンズで単玉といっても2枚の貼り合わせが一般的だったが、こちらは正真正銘の単玉レンズだ。
 カタログスペックを見ると、撮影距離の目安として「約30cmから約2m」とあった。かなりの近距離優先的ピントのレンズなので、ちょっと遠くの景色を撮ると悲しくなるほどボケる。


 07レンズを使い始める前に、撮影距離目安の「約30cmから約2m」をしっかり読んでおかず、そう、ムカシのコダック・ポケットベス単カメラ程度の写りを予想していた。1枚レンズだから球面収差が出まくり、フレアーいっぱいの画像をQ7のモノクロモードやセピア調モードと組み合わせて撮って仕上げれば、独特の雰囲気写真ができあがるんではないか、と考えていたが、うーん、あまりのピンボケ画像に夢はもろくも潰えた。
 上の写真の遠景の描写を見れば、遠くを写したときどれだけボケるか想像できると思う。なお、このレンズはピント固定式だから遠景のピントはこれ以上、どうしようもない。

 ただし、撮影距離に注意をして、遠くてもせいぜい3メートルぐらいの範囲に限って撮れば、なんとかトイカメラ風の写真には仕上がる(デジタルフィルターの"トイモード"や、カスタムイメージの"ほのか"と組み合わせると、これが意外といい雰囲気が出て印象はだいぶ良くなる)。

 画面の周辺部では大胆に像が流れる。使い捨てカメラで写したって、ここまでの"思い切った描写"はできないだろう。そういう意味では、いまどき「珍しく」「貴重」な描写のレンズだ ―― 少しヨイショしているけど。くどいようだけど、30センチぐらいから1メートルまでの被写体を狙い、写したいメインの部分を画面の中心に置くようにフレーミングして(つまり日の丸構図で)写せば、それはそれは個性的な描写に仕上がるから、それはそれで充分に写真を愉しめる。