キヤノンのカメラづくりのうまさ

キヤノン・PowerShot S120



 コンパクトデジタルカメラの「ツクリ」のうまさは、数あるコンパクトカメラメーカーの中ではキヤノンがナンバーワンだ。外観の仕上げや機能、機構も含めての「デザイン」が飛び抜けてうまい。スキがまったくない。その写りだっていつも安定しているし、ナンの文句もないトップクラスだ。

 画質の良さの進化という点で見れば、同じキヤノンのデジタルカメラでも、一眼系よりもコンパクト系のほうが「一歩先」をいっているようだ。ノイズ処理にしたって、コンパクト系のほうが先に解像感重視(ノイズは目立つ)の方向に向かったときも、その後しばらくしてから一眼系が後を追うようにゆっくりとコンパクト系のノイズ処理をマネた。

 キヤノンは他社とは違って、画質全般をコントロールする部署がコンパクト系と一眼系とが"はっきり"と分かれている。他社の多くはコンパクトであろうが一眼であろうが1つの部署が統括して画質をコントロールしている。カンタンにいえばごちゃまぜ、あれもやるこれもやる。しかしキヤノンは人的にも豊富でテーマごとにやるべきコトもヒトも決められている。
  ―― と、見たようなことを書いているが実際に開発部内を見たわけではない。いままで、あれこれ話をしたり取材をしたりしての上での総合的な印象だ。

 で、似たもの同士の富士フイルム・XQ1とキヤノン・S120を比べて、さぁオマエはどちらを選ぶか、と問われれば ―― 使って愉しいかどうかは横に置いておくとして ―― やはりS120だ。キヤノンのカメラには、ユーザーを選ばないツクリ、というところがあって、そこがスゴイ。
 S120は、少なくとも3年間以上は充分に満足して使い続けられるカメラだろう(今後3年間に新型機種が出てきても、たぶん)。