カシオ独特の「カメラ論理」が難解

カシオ・EX-100

 カシオのカメラは、ずーっと以前からそうなんだけど、「カメラ操作の方法」が独特なのだ。ニコンやキヤノン、オリンパスやペンタックスなどフィルムカメラから続く「老舗カメラメーカー」とはだいぶカメラの雰囲気も違う。同じようにフィルムカメラづくりの経験のないソニーやパナソニックのデジタルカメラは、どちらかといえば老舗カメラメーカーのそれに近い。
 ところがカシオのカメラは、意図的に既存のカメラとは別路線を歩んでいこうという考えはないと思うが、「論理」が根本的に違うような気がする。




 最近のカシオのカメラは、以前から比べればそれでもだいぶ柔軟になってきたけど、ある時期までは、「かたくなな」と言っていいほどに我が道を突き進んでいた。個性的、というのとは少し違う。だから、ぼくはよくカシオは「デジタルカメラ世界の異端児だ」と評していた。

 むろん、良い面もあったし悪い面もあった。悪い面は(しいて言えば、の話だけど)、とにかく「初心者ユーザーに文句を言われないように」とか「初心者ユーザーが間違いを起こさないように」といった配慮が強すぎて、そうしたカメラを作り続けたため、ぼくたちのように少しカメラ操作を知っているものにとっては、大変に使いづらいカメラになってしまっていたことだ。
 露出補正ひとつ操作するのに、他のメーカーとはまったく異なった操作をしなければならなかったり、いまでもそうだけど、露出補正といった用語を使わず「EVシフト」としていたりする。

 そうしたカシオ独特の「カメラ論理」に慣れている人にはわかりやすいカメラなのかもしれないが、しかしそのカシオカメラの「論理」を理解するまでには時間も忍耐も必要。

 けど、良い面もたくさんある。デジタルカメラに初めて搭載した撮影機能など、挙げればキリがないほどたくさんある。コンパクトデジタルカメラでいったいナニができるか、どこまでできるか、を徹底的に試し、それを実践してきていることがそうだ。「これはおもしろそうだ」と感じれば、どしどしカメラに新機能として搭載してくる。デジタルカメラで、コンポジット技術を使って超解像をやったのはカシオが初めてだし、いまでもそれを続けている。自動ステッチング処理を取り入れて超ワイド撮影ができるようにしたり、そうそう、スローモーション撮影を初めてやったのもカシオだ。

 いつも思うのだけど、もし、かりにカシオがレンズ交換式のカメラを作ったら、どんなに愉しくて、魅力的なカメラに仕上げるだろうかと。
 でも、「レンズ交換式カメラはまったく考えていません」といつも明言しているけど、いや、そう言わざるを得ないカシオの事情もあるんだろうけど、残念だなあ、もったいないなあ、と思う。