ニコンFマウント用とキヤノンEOSマウント用

キヤノン・EOS 5D Mk II+カールツアイス・ZEISS Otus 1.4/55

 少し間があいてしまったが、再び、ZEISSのOtus 55mmF1.4レンズについて。ちょうどキヤノンEOSマウント用のそのレンズも使う機会もあったので、前回のニコンFマウントとあわせて印象を。

 まずこの写真を見てみるといい。左がキヤノンEOSマウント用(ZE)、右がニコンFマウント用(ZF.2)である。
 注目したい点は2つ。1つめはニコンFマウント用レンズに絞りリングがあることと、2つめはニコン用とキヤノン用でフォーカスリングの回転方向が異なることだ。




 いまや、NIKKORレンズだって絞りリングを省略しているし、タムロンやシグマのレンズもそれに倣って省略している。だから、古いフィルムカメラに最新型のレンズを使用できないことが多い。しかし、それはしょうがないことだ。1956年からいままで60年近くもFマウントを継続してき、その間にAEやAFに対応しなくちゃならないこともあったが、ずーっとがんばってFマウントのままだった。そのFマウントの"せい"で、ニコンが最新の一眼レフカメラでやりたいことができない、ということもいっぱいある。

 いや、それはともかくとして(どうもぼくは気が粗忽散漫だからついつい話が脱線してしまう)、えーっと、Otus55mmのレンズに絞りリングがあるよという話だけど、つまりOtus55mmはニコンFマウントなら機種を選ばずに使えるということだ。

 フォーカスリングの回転方向。写真左のEOSマウントレンズは無限から至近にフォーカスするには右回転する。これに対してFマウントレンズは左回転だ。
 この右回転、左回転はキヤノンレンズ、ニコンレンズが古くから採用してきた方式(もともとはライカレンズ、ツアイスレンズに倣ったところから始まるそうだが、そんな話をしだすととめどがなくなるから省略…)。ま、言ってみれば、クルマの右ハンドル用と左ハンドル用みたいなものだ。簡単そうに見えて、これが意外とタイヘンなのだ。

 だいぶ前のことになるがタムロンもシグマも、ニコン用とキヤノン用とでフォーカス回転の方向を変えていたこともあったが、いまは小型軽量低コストを優先させて回転一方向のレンズしか作っていない。ズーミングの回転方向もニコンとキヤノンが違っていた時期があって、その頃もそれにあわせていたズームレンズもあったんじゃないかな、記憶が朦朧曖昧だけど。

 40万円近くもする高価なレンズだから「そんなの当たり前だ」と言ってしまうのは、ZEISSにとってあまりにかわいそう。ぼくはその心配りに感心した。これこそ「おもてなしの心」と言ってもいいのではないだろうか。レンズ専門メーカーとしてここまでやってるんだから、タムロンもシグマも、ほんのちょっぴりでイイから見習ってほしいなあ。