もう1本の大きくて重い50mmレンズ

キヤノン・EOS 5D Mk II+シグマ・50mmF1.4 DG HSM

 ZEISS Otus 1.4/55レンズについては、まだ"話のネタ"はたくさんあるのだけど、そればかりというのもナンなので、一緒に使っていたシグマの新50mmレンズの素晴らしさの話題に移りたい。ここ数年、性能の良いレンズがつぎつぎと発売されていてレンズ好きのぼくとしては興味がつきない。なにか技術的なブレークスルーがあったのか、と思うほど。
 このほかも注目レンズがあって、富士フイルムの新広角ズームのXF10~24mmF4レンズもその優れた描写に感動。それについても後日、話もしたい。まずはシグマの新レンズの話から。



 シグマのF1.4の50mmレンズは、5~6年前に「50mmF1.4 EX DG HSM」が発売されていたが、この新しい50mmはその旧レンズの後継機種ということになる。
 シグマの大口径単焦点レンズには現在、50mmF1.4、35mmF1.4、85mmF1.4の3本の「F1.4レンズ」がある。50mmは、こんど新しくArtラインとしてモデルチェンジした。35mmは発表されたときがちょうど「プロダクトライン構想」がスタートしたときだった。その第一弾のプロダクトラインの1つArtラインレンズとして35mmF1.4が出てきた。3本のF1.4レンズのうち、いま、旧タイプのまま残っているのは85mmF1.4だけだ。だから早晩、Artラインの新85mmF1.4としてモデルチェンジされるにちがいないだろう。

 旧型50mmF1.4のあとに、現行85mmF1.4が出てきたが、比べると文句なしに85mmの描写のほうが良かった。旧50mmは発売当時は充分に満足できる描写レベルだったのが、85mmが出たとたんになんだかすっかり「見劣り」してしまった。
 さらにその追い打ちをかけるようにArtライン35mmF1.4が発売されて、ますます旧50mmF1.4の影が薄くなってしまった。だから、今回の50mmF1.4がArtラインレンズとしてあたらしくなって出てきたのはとうぜんだといえる。

 旧型50mmF1.4は色収差(軸上も倍率も)が少し目立っていたし、逆光でのフレアも気になった(その点、85mmF1.4は開放絞り値でのフレアが少なくヌケの良い良いレンズだ)。新型50mmF1.4レンズはそうした旧型の欠点をすっかりなくして素晴らしい描写性能のレンズに仕上がっている。ただし、旧型に比べると相当に大きく重いレンズになっている(ZEISS Otus 1.4/55レンズと両方を持って重さ大きさを比べると、いい勝負、との印象だったなあ)。
 大きく重いレンズは良いレンズであるための条件だから、新型50mmF1.4レンズはその例にもれず優れた描写性能を持っていた。