「光学式」5軸手ぶれ補正

オリンパス・STYLUS SH-1

 このSH-1は昨年10月に発売されたSH-60のモデルチェンジ機種である。1年にも満たないモデルチェンジだから、基本スペックはほとんど同じでマイナーチェンジと言ってもいい。レンズ(光学24倍ズーム)、センサー(1600万画素の1/2.3型CMOS)、AF/AE、液晶モニターなどは同じである。
 もともと、SH-60というコンパクトカメラは、いっけん地味なカメラの印象があるがこれが良いカメラで、小さくて薄くて軽くて、にもかかわらず25~600mm相当の画角をカバーして近接撮影もできるし、サブカメラ(もう一台のお気軽スナップ撮影用カメラ)としては候補ナンバーワンのカメラだった。外観デザインもシンプルで、とても魅力的なカメラ。そのSH-60の撮影機能をブラッシュアップしたのがSH-1というわけ。




 ではSH-60からSH-1ではナニが進化したのか。
 外観デザインが少しPENふうになったこと(これはどーでもいい)。高ISO感度の上限がワンステップアップしたこと(これもどーでもいい、かな)。アートフィルターの種類が増えたこと(これも…ね)。動画撮影でSH-60がインターレスの60iだったのが、SH-1ではプログレッシブ60pになった(これはイイ)。Wi-Fi対応(これもイイ)。
 で、もっとも大きな進化ポイントはといえば、コンパクトデジタルカメラでは世界初となる「光学式5軸手ぶれ補正」を搭載したこと。SH-60はごく一般的な3軸方式だった。

 ここでちょっと余計な解説をしておくけれど、オリンパスが言う「光学式手ぶれ補正」とは「電子式手ぶれ補正」に対する「光学式」のこと。一般的に言うところの「メカ式」手ぶれ補正のことだ。光学式補正とは言ってるけどレンズシフト式補正のことではない。
 まったく、まぎらわしい言い方をするなあ。あわて者のぼくは、その「光学式」の文字を見たとたん、おおっセンサーシフト方式からレンズシフト方式に切り替えたのか、と思い違いをしたほど。あらためて説明しておくが、SH-1は「センサーシフト式手ぶれ補正」である。それをPENシリーズやOM-Dシリーズの一部の機種と同じメカニズムで5軸対応としている。

 SH-1の解説ホームページを見ると、大きな文字で『静止画ではコンパクトカメラ世界初、動画ではデジタルカメラ・ビデオカメラ含めて世界初となる光学式5軸手ぶれ補正を実現しました。』と威張っている。
 なぜオリンパスは「光学式5軸補正」のコトバにこだわるのかといえば、カシオの「5軸対応HS手ぶれ補正」に対抗するためにではないかという話もある。カシオはデジタル補正(電子式補正)との組み合わせでの「5軸補正」をやっている。レンズシフト式の手ぶれ補正と高速連写デジタル合成による補正の合わせ技での5軸補正である。

 オリンパスから言わせれば「そりゃあマヤかしだ」というわけ。電子のチカラを借りずとも、正真正銘メカだけでやっている5軸補正はオリンパスだけだ、5軸補正の本家本元総家元だぞ、との意気込みが「光学式5軸補正」のコトバから滲み出ている。
 オリンパスの気持ちもわからないでもない。苦労して5軸補正をやってるんだからね。トンビに油揚げ、みたいな気持ちだったのかも。

 そのオリンパスの光学式5軸手ぶれ補正だが、使ってみたら、なるほどこれがいい。とくに動画撮影に威力を発揮していた。そのへんの話は明日か明後日にでも。