内蔵ドットサイトのもう1つの活用法

オリンパス・STYLUS SP-100EE

 一眼レフカメラふうのスタイルをした超高倍率ズームレンズ内蔵コンパクトカメラは、いま各社が競ってラインナップに加えている。どこの機種も、ほぼ似たようなスペックで同じスタイリング。
 イメージセンサーは1/2.3型CMOSで、ズーム倍率が50~60倍で、広角端が20mm~24mm相当、望遠端が1200mm~1400mm相当で、デジタルズーム機能を使えば数千mm相当の超々望遠撮影もできる、という、ちょっとヤケぎみな感じもしないでもないハイスペックだ。ところが、各機種をよく見比べてみると、これがほとんど変わり映えしない。こうした競争のなかで、少しでも他機種にない機能を盛り込んでアピールしなくてはならず、たとえば、このオリンパスのSP-100EEではドットサイトを内蔵させたというわけだ。




 SP-100EEの基本スペックは、こうした高倍率ズーム内蔵一眼レフカメラふうコンパクトカメラとしてはごくごく一般的。1/2.3型の1600万画素CMOSセンサー、24~1200mm相当のズーム倍率でF2.9~F6.5の開放F値、デジタルズームや超解像ズームを組み合わせれば2400mm相当になる、手ぶれ補正はレンズシフト方式…といったところ。
 しかし、SP-100EEにはドットサイト(照準器)という他社のカメラにはない新しい機能を持っていて、このドットサイト、おそらくオリンパス自身も気づいていなかったんではないかと思われる便利な使い方がある。

 SP-100EEの手ぶれ補正の方式は、他社機種と同じくレンズシフト方式。100EEのような高倍率ズーム内蔵のカメラでは、フレーミング時(ライブビュー時)にEVFやモニター画面を見ているときの手ぶれ補正の動作と、実際にシャッターボタンを押し込んで手ぶれ補正が働く動作とを別にしている。超望遠にズームしたときにできるだけユーザーがフレーミングしやすいようにぶれ補正のアルゴリズムを変えているのが一般的。
 このライブビュー時のぶれ補正アルゴリズムが各メーカーによって微妙に異なる。ウマいところとヘタなところがある。あ、誤解を招くとイケナイのでひと言加えるが、ライブビュー時の手ぶれ補正アルゴリズムと露光時の手ぶれ補正アルゴリズムは、ぜんぜん別もの。だからライブビュー時がヘタであっても、露光時の手ぶれ補正がうまいという機種もある。

 さて、SP-100EEのライブビュー時の手ぶれ補正のアルゴリズムだけど、これがお世辞にもウマいとはいえない。はっきり言ってヘタ。ファインダーを覗いていると、少しフレーミングを変えようカメラを動かしただけで画面が粘着質のように張り付いたり、急に剥がれたりしてなかなか狙った構図で写せない。
 ところが、そのヘタなライブビュー手ぶれ補正アルゴリズムを補助して、狙った通りの構図で撮影するためにドットサイトを利用する。これが大変に役に立つのだ。

 望遠にズームしたときに、まず、撮影したいだいたいの構図を決める。このとき、画面が張り付いて見づらいのは少しガマンして、その写したい構図の画面の中心点を憶えておく
 ここで、ドットサイトをポップアップする。さきほど憶えておいた画面の中心部にドットサイトのポインターを合わせてシャッターを切る

 たったこれだけのことで、自分が撮りたい構図にほぼピタリとおさまる。EVFや背面モニターを見ながらシャッターを切るよりも数倍、狙ったフレーミングで撮影ができる。SP-100EEのユーザーは、だまされたと思って、一度試してみるといいぞ。