解像力があってぼけ味もいい

ニコン・D800E+トキナー・AT-X70~200mmF4 PRO FX VCM-S

 このズーム、トキナーが開発発表をしたのが約2年前こと。ところが昨年のCP+2013に参考出品されたままで、再び今年、CP+2014に参考出品。そして、ようやく先月末に発売された。漏れ聞くところによるとリングタイプの超音波モーターの開発に大変に手間取ったそうだ。トキナーレンズとしては初のリング型超音波モーター内蔵で、かつ、初の手ぶれ補正(VCM)も搭載したレンズである。




 ニコンFマウントだけの対応で、キヤノンEFマウントを発売するのかどうかの正式な発表はない。もしこのニコンマウントが売れて評判が良ければ、キヤノンマウントも発売するのではないだろうか。
 現在、キヤノンには70~200mmF4 ISのズームがあって、そこそこ手頃な価格で(約13万円)人気もある。このトキナーの70~200mmF4の実販価格は11~12万円ぐらい。価格で大差のない状況の中に無理して入り込もうとしても「返り討ち」にあってしまう恐れもある。だから、いまは静観中、ではなかろうか。ニコンの70~200mmF4は15万円ほどするから、これなら充分に競争していけそうだ。

 キヤノンマウント対応とニコンマウント対応のレンズのどちらのほうが設計が難しいかといえば、文句なしにニコンマウントのほうだと言われている。つまり、ニコンマウントのレンズが作れれば、あとはキヤノンマウントに対応させることは簡単にできる(とは少し言い過ぎだけど)。
 トキナーとしてもニコンマウントだけでは「モトを取り戻す」にはややつらいところもある。いけそうだ、との見込みがあればすぐにキヤノンマウントも売り出すに違いない(ぼくは、そう遠くない時期にキヤノン対応レンズを出す、と思う)。

 開放F値をF2.8ではなくF4にとどめたことで、レンズ設計が大変に楽になったのだろう。いま、デジタルカメラの高感度描写性能がぐんぐんと良くなってきている。それを利用すればF2.8とF4の違いなどは(通常一般の撮影にかんしては)ほとんど気にせずに使える。
 F2.8レンズを使ってそこそこの描写性能を得るために一段絞り込んで使うことと、F4レンズのF4開放絞りの描写を比べればそれほど差がないことが多い。レンズ光学設計に余裕が出て、その余裕を描写性能の向上に振り分けることができるからだ。レンズを小型軽量に仕上げられることも大きなメリット。

 描写はとてもシャープで解像力も高い。ほどほどのコントラストがあるので、とてもヌケのよい印象を受ける。ズーム全域で充分に合格点の描写だが、しいていえば望遠側よりも広角側のほうが描写はいい。ぼけ味はナチュラルで柔らかく、いいねえ。