東京ミッドタウンのゴジラをHDRで

リコーイメージング・PENTAX K-3+DA Limited 20~40mmF4 WR

 K-3の最新ファームウエアをアップデートすると回折補正の機能が使えるようになる。リコーイメージングのカメラとしては、645Zではじめて回折補正の機能を搭載した。その回折補正アルゴリズムと同じもの(たぶん)をK-3に入れて使えるようにしたわけだ。




 回折補正の処理アルゴリズムはいくつかの方法があるのだが、いずれもレンズ情報を読み取って最適な処理をする基本は同じ。回折現象による解像感低下とコントラスト低下を補正する画像処理をするのが回折補正で、それをやることでコントラストがアップし解像感も向上するというものである。ただし、K-3に限らず他の機種もそうなのだけど、回折補正の効果を過度に期待しないほうがいい。

 補正効果は「約1絞りぶんぐらい」と思っておくといい。
 ぼくがPENTAXを含めいろんな機種(富士フイルム、オリンパス、ソニー)やソフト(キヤノン)の回折補正を試してみた感じでは、645Zの回折補正がもっとも効果がはっきりとしていた(約1.5~2.0絞りぶん)。645Zの回折補正の効果がもっともはっきりしていたのはレイリーの法則によるものだろう。
 そのレイリーの法則にのっとれば、645Zに比べてレンズ(口径)もセンサーも小さなAPS-CサイズのK-3で回折補正の効果が薄いのは仕方のないことだ。

 K-3では、だいたいF8を越える絞り値ぐらいから回折現象が目立ってくる。F22まで絞り込むと、F8と比べると回折現象の影響を受けて相当にへろへろな感じに見える(遠景の高周波成分を写したものを比較しての話だ)。
 だからF22以上に絞り込んで回折補正をONにしても、期待するほどの結果は得られない。回折補正の効果を期待するなら、せいぜいF16ぐらいまでだ。しかし、効果は少ないといえども、回折現象が補正されて見かけ上のコントラスト、解像感ともにアップするわけだから、それはそれでいいと思う。