プログラムオート「1/4秒限界」の不思議

富士フイルム・X-T1+XF10~24mmF4 R OIS

 素晴らしい描写の広角ズームレンズである。写りは、現行の他のメーカーの同クラス(APS-C用、フルサイズ用)のズームレンズと比べてもアタマ2つ、3つぐらい飛び抜けているような印象を受ける。

 いま、この10~24mmズームに匹敵するほどの描写性能のレンズはといえば、まだ発売前だけど645D/645Z用の「DA645 28~45mmF4.5」ぐらいだろう(少し前のベータ版のレンズを使って撮ってみた感想だけど)。ただしこちらのズームは中判カメラ用で、10~24mmのほうはAPS-Cサイズ用。比べてアレコレ言うのはちょっと違うかもしれないけど。
 まあとにかく、どちらも良く写る広角ズームレンズだ。
 これら2本のズームのように、今後、開発され発売されてくる広角ズームレンズは、いままでとは違って描写性能が飛躍的に優れたものいくつか出てくる可能性は大いにある。レンズの設計・製造技術が近年、大幅に向上してきているからである。とくに広角レンズ系の性能アップに欠かせない特殊非球面レンズの開発などが性能向上に寄与しているようだ。




 10~24mmの焦点距離はフルサイズ判相当の画角でいうと15~36mm相当になる。ズーム比は約2倍ちょっと。開放絞りの値F4から、遠慮会釈なく撮れる。ズーム焦点距離全域で平均して優れた描写性能がある。撮影距離を変えても破綻もなく安定した写りである。そのうえ、手ぶれ補正(OIS)も内蔵している。数年前までは超広角ズームレンズなどに手ぶれ補正機構を組み込むことは難しかったのだけど、それも各メーカーとも次々とクリアーして搭載してきている。

 ところで、この10~24mmは手ぶれ補正内蔵であるのに、18~135mmのようの、何段ぶんの補正効果あり、との記載がいっさいない。だからこれは、前回のブログで述べたようにCIPA準拠のテスト方法ではフジが期待するほどのぶれ補正効果が発揮できなかったので「黙って」いるだけ。カタログなどに補正効果段数を記載するにはCIPA基準でテストした結果を隠さずに書かなくてはならない。自社の独自テストでの数値を表示することができなくなったからだ。
 でも、たぶん、こうした場合はメーカーに手ぶれ補正効果の段数を問い合わせれば、必ず答えてくれるはず。

 なんだかややこしい話になったけど、とにかく10~24mmズームには手ぶれ補正の機能が備わっている。ぼくとしては、たとえ2段ぶん(もう少しあると思うけど未確認)程度の補正効果しかなくても万々歳だ。手ぶれ補正を内蔵したことに大評価したい。
 ところが、せっかく手ぶれ補正を内蔵して低速シャッタースピードで撮影ができるようになったのに、富士フイルムのカメラのほとんどは(たぶんすべての機種がそうだと思うけど)プログラムオートで撮影する限り「1/4秒」までしか露出連動してくれない。レンズ交換式カメラのXシリーズもそうだ。お気に入りのX-T1もそうだ。これがX-T1のスペック表の一部
 プログラムオートにしておくと、1/4秒以下のシャッタースピードになるような暗いシーンを撮影すると、すべて露出不足の写真になってしまう。レンズ交換式カメラで、いまどき、こんなあほうな仕様のカメラなんてない。ことに、18~135mmのように効果てきめんの手ぶれ補正付きなのにカメラボディのほうが、甚だしい時代後れになっている。

 これをぼくは富士フイルムカメラの「決定的欠陥」のひとつだと思っているのだけど(以前から文句を言い続けているが)いっこうに改善される様子もない。オイッ、いい加減に修正しなさいよ、ほんとに、もう。
 ついでだから言うけど、富士フイルムのカメラとレンズにはもう1つ「決定的欠陥」があるのだが、その話は次回にでも。