目立たないが注目の新しい撮影モード

オリンパス・E-PL7+M.ZUIKO DIGITAL14~150mmF4~5.6

 E-PL7については、下向きモニター自分撮りモード、新しいアートフィルター、Wi-Fi搭載といったところをオリンパスは積極的にアピールしている。しかし、そのほかにも、ひっそりと改良されたり追加された機能や機構がある。

 たとえばコマンドダイヤルが搭載されたことがそのひとつ。いままでのPLシリーズには、そうした操作ダイヤルがなく、十字キーを押して機能を呼び出し、その後に再び十字キーの操作をするといっためんどうなことをやらねばならかった。

(訂正)
 すでに以前のPLシリーズにも「コマンドダイヤル」がありました。ここを読んでくれてる人からご指摘をいただいた(ありがとう)。
 以前の「コマンドダイヤル」は十字キーが回転するタイプで、それを親指でクルクルと回す。なのだけど、ダイヤルを回すつもりが、つい、十字キーを押してしまって(簡単に反応する)おっとっと、となることが何度かあって、ぼくはその操作を避けてきた。
 それが今度、E-PL7になってシャッターボタンのそばに移動させたというわけだったのです。たったそれだけの、コマンドダイヤルの位置を変更させただけで、「コマンドダイヤル始めての搭載」とカンチガイするほど格段に操作性が向上しましたね。

 新しいコマンドダイヤルはシャッターボタンと同軸上に設けられて、絞りやシャッタースピード、あるいは露出補正がダイレクトで操作できるようになった(カスタム設定でダイヤル機能変更が必要なものもあるけど)。




 シーンモードに新しく「流し撮りモード」が追加された。E-PL7のシーンモードにはじつにたくさんあるのだけど(なんと25種類も)、そのいちばん最後にひっそりと、流し撮りモードが新しく追加されている。
 この流し撮りモードが大変によくできている。
 皆さん、ぜひ注目してほしい。シーンモードの中に隠れているのがもったいないぐらいで、堂々と表舞台に出てきて皆んなに使ってもらい撮影を愉しんでもらってもいいほどの実力を秘めたもモードだ。

 動いている被写体をカメラパーンして追いかけると、そのスピード、動く方向、シーンの明るさなどを自動的に判断して、もっともウマく流し撮りができる最適なシャッタースピードに設定される。暗いシーンなどで望んだシャッタースピードが得られない場合は、自動的にISO感度がアップする仕組みになっている。手ぶれ補正はカメラをパーンする方向を検知して一方向のぶれ補正をキャンセルする。

 動く被写体のスピードの検知は、おそらく、撮影レンズの焦点距離とピント距離を読み取りつつ、手ぶれ補正のジャイロセンサーを使って像面の"動き量"を判断しているのだろう。同じ速度でも、広角レンズと望遠レンズでは像面では動き量が違ってくるから、それぞれに「最適」なシャッタースピードを選んでやる必要がある。PL7の流し撮りモードではそれを丁寧にやっているようだ。
 だから望遠レンズでも広角レンズでも、近距離でも遠距離でも、走るクルマでも電車でも、こどもでも犬でも、初心の人でもベテランで、もうまく流し撮りができる(はず)。

 この流し撮りモードはシーンモードに入っているもんだから、撮影機能の設定が自由に変えられないという欠点もなくもない。カメラに詳しくない初心の人たちには、間違って変更して失敗しないようにしているのはいいのだけど、ちょいとアレンジして使いこなしたいと考えている人には不満もある。

 初期設定では、AFは「AF-C」で、中央の「9点グループターゲット」になっていて、ドライブモードは「低速連写」となっている。AF-CをAF-Sにしたり、9点を中央1点や全エリアモードに切り替えたり、低速連写を1コマ撮りにすることはできるのだけど ━━ この変更は初心の人にはめちゃくちゃ難しいと思うけど ━━ それ以外の設定となるとできないことのほうが多い。

 流し撮りモードに限らないことだけど、オリンパスのカメラのシーンモードには、シーンモードの中に埋もれさせておくにはモッタイナイほどの魅力的で高い機能を備えたモードもある。優れたモードはシーンモードに隠しておかないで、堂々と皆んなの眼に触れるように、オリンパスはこのへんのことを、少し考え直して欲しいと思うわけですよ、ぼくは。