高倍率ズーム内蔵一体型カメラ

富士フイルム・FinePix S1

 このFinePix S1の発売は今年2月のことだから、いまとなっては「新製品」といえないかもしれない。それにしても、たった6~7ヶ月で新鮮さがあせてくる(価格もどんどん低下してしまう)ような、いまのデジタルカメラってやはりナンだかへんだと思う。

 それはさておき、FinePix S1は「高倍率ズーム内蔵一体型デジタルカメラ」である。このS1のようなカメラは、現在、各社から競って発売されている。カメラメーカー7社から出ているのだけど、どれもこれもスペックは似たり寄ったり。




 内蔵ズームのズーム比は約50倍。24~1200mm相当の画角をカバーするだけでなく、デジタルズームを使えばもっと超望遠撮影もできる。マクロ撮影の機能も備わっている。連写もできる。動画も、スローモーション動画も撮れる。撮像センサーは1/2.3型の1640万画素CMOS。RAWで記録することもできる。一眼レフカメラふうのスタイルで、しかしレンズ交換の必要はない(というか、できないのだけど)。価格は3万6千円ぐらい(大型量販店価格)。
 これだけの"てんこ盛り"の機能を持っている最強デジタルカメラだけど、イマイチ人気がない。とくに日本国内の市場でだめ。ところが海外の市場ではおおいに人気があり売れている。

 だから国内の主要なカメラメーカー7社(キヤノン、ニコン、オリンパス、富士フイルム、リコーイメージング、パナソニック、ソニー)からは ━━ 冒頭で述べたように、ほとんどそっくりのスペックの高倍率一体型カメラを販売している。
 どのメーカーの高倍率一体型カメラも、約50倍高倍率ズーム内蔵し、1/2.3型センサーを使い、デジタルズーム(または超解像ズーム)を内蔵し、価格もほぼ3万5千円から3万8千円ぐらいで(中にはソニーのCyber-Shot HS400Vのように5万4千円という飛び抜けた価格のカメラもあるが、かといってスペックに大きな違いがあるわけではない)、ボディサイズも重さも、スタイリングもほとんど同じ。

 詳しく比較すれば微妙にスペックや仕様は異なるけど、でも基本的性能は同じようなもの。
 なぜ、もう少し個性的で、他社とは決定的に違う、というカメラを開発しないのか奇妙に思いながらも、各メーカーのカメラを使ってみたら、どの機種もよくできていてこれが愉しくて便利なのだ。どうして日本国内の市場で受け入れられないのか、そのへんのところが、ぼくにはよくわからない…。
 使えるカメラは一台だけ、と言われれば、ぼくは迷わずにこの高倍率ズーム内蔵一体型を持っていくけどなあ。