おすすめはテレコンとのセットですね

オリンパス・OM-D E-M1+M.ZUIKO DIGITAL ED40~150mmF2.8PRO+MC-14

 このズームレンズは今月末の11月29日が発売予定。同時に1.4倍の望遠レンズ専用のテレコンバーター(MC-14)も発売予定で、40~140mmとセットにしたキット販売もされる。予定価格はズーム単体だと税込みで198000円だが、税込み37800円のテレコンとのキットだと224540円になるそうで、そうするとテレコンぶんがかなりお買い得となる。ナンだかオリンパスのヨイショ宣伝してるみたいだけど。

 でも、いまから注文しても発売日に手に入れることは難しいみたいですね。「予想外の注文を頂戴いたしまして…」とオリンパスは申し訳なさそうに言っている。
 もちろん「予想外」だったのだろうけど、それよりもこのレンズは、製造するのが大変に難しくて、ほいほいとたくさんの数を注文通りに生産できないからだろう。少数でじっくりと高品質高性能を目標にして作っていく(作らざるを得ない)、そんなズームレンズなのだ。




 40~150mmのレンズ構成を見てみてもわかると思う。デュアルVCMフォーカス用の2群の調整も難しいようだが、それ以上にEDAレンズの製造に手間取っているんではないだろうか。EDA(Extra-low Dispersion Aspheric)とは特殊低分散ガラスレンズの非球面レンズのこと。赤丸で囲った部分がEDAレンズだけど、これじゃあ見てもよくわからんねえ…すまん。

 この非球面レンズはGM、つまりガラスモールド方式で非球面化している。精密金型を作って、金型と光学ガラスを高温でじっくりと圧縮プレスして非球面の「カタチ」に仕上げるわけだが、そう簡単にできれば苦労はしない。
 金型でプレスするときと、金型から取り出すときの温度管理がこれまた大変に難しく、ちょっとヘマをするととたんに割れてしまったり屈折率が狂ってしまう。どのメーカーもこのへんのワザ(ノウハウ)は「秘中の秘」になっている。

 ぼくはいくつかのメーカーのレンズ工場を見学したことがあるが、ほとんどのメーカーは非球面レンズの製造工程についてはいっさいオフリミット。見せてくれない。ぼくのようなシロートが見てもノウハウがわかるわけもないし、万が一、わかったところでぼくには屁の突っ張りほどの役にもたたない。
 たまに見せてくれるメーカーもあるが(恩を着せて渋々)、それでも小さな窓越しに短時間だけチラ見させてくれるだけ。聞いてもなーんにも教えてくれない。いや、非球面レンズの製法はそれほどの内緒の技術だということ。

 生産効率を優先させて光学ガラスをプレスするときに高温にしすぎたりすると、高価な金型にダメージを与え耐久性がなくなる。そのへんの兼ね合いを考えながら適温を探る。しかし、だからと言って低温するぎると今度は光学ガラスが言うことを聞いてくれないし、生産効率も悪くなる(時間がかかれば人件費も設備費もアップする)。
 さらにですぞ、40~150mmズームに使っているEDAレンズは特殊低分散ガラスで、その素材は高温にすると、これまた金型にダメージを与える「有害ガス」が発生するとも言われている。
 カメラもレンズもそうだけど作り始め、製造開始直後というものは難問が立て続けにおこってくるもの。次々に襲いかかる試練をくぐり抜け解決して(大げさな表現でごめんね)、性能を最優先して40~150mmを丁寧に作っているんだろうなあ、と、まあ、そんなふうに思うわけです。

 ああそうだ。無駄話をしすぎて言い忘れていたけど、もし40~150mmを買うんだったら、そりゃあ迷わずテレコンとのキットを選んだほうがいい。あとで、きっと後悔しないですむ(と思う)。上の写真はテレコン付き、C-AF、高速連写の中の1コマ。とてもシャープです。