フルサイズ判対応+開放F値F2.8+手ぶれ補正内蔵

キヤノン・EOS 5D Mk II+タムロン・SP15~30mmF2.8 Di VC USD

 各社マウント対応の交換レンズを設計し製造するとき、たとえばニコンFマウントとキヤノンEFマウントと比べたとき「どちらのマウントのレンズが難しくてやっかいか」と言えば、「ニコンだ」と、タムロンの設計者もシグマも設計者もそう答える。

 最近のニコンマウントの絞りはキヤノンマウントと同じよう電気制御方式になってきたが(厳密に言えば相当違うけれど)以前は完全メカ制御だった。絞りリングもあった。そのため、絞りを連動駆動させるためのメカニズムの設計が悩みの種だった。ニコンマウントだけ、の設計ならまだしも、キヤノンやそれ以外の機種にも同じレンズで対応しなければなない。そうそう簡単なことではないらしい。

 マウント径もキヤノンEFマウントに比べるとニコンマウントはだいぶ小さい。「キヤノンマウントだけならF1.2以上のF値のレンズを作ることはそう難しくはないが、ニコンマウントでもそれをやるにはかなり難しい…」と聞いたこともある。




 ところで、ぼくがこのタムロンの超広角ズーム15~30mmで評価している点は3つある。(1) 開放F値が大口径F2.8で、なおかつコンスタントF値(ズーミングで開放F値が変化しない)、(2) 超広角ズームで手ぶれ補正機構を内蔵(補正効果は期待以上ある)、(3) 逆光や半逆光でフレアー/ゴーストが大変に少ない(ヌケがよくクリアーな画像が得られる)。

 15~30mmに近い画角をカバーする超広角ズームレンズは他にも何本もある。しかし「フルサイズ判対応+開放F値F2.8+手ぶれ補正内蔵」という3つの条件を同時に満たしたズームレンズはどこにもないはず。おそらくこのズームレンズが世界初、唯一ではないか。
 その3つを同時に満たすことを目標にしたため、大きくて重いレンズになってしまったようだ。15~30mmの、しいて欠点を言えばこのことだろうか。初めてこのレンズを手にしたときは「うっ!」と黙ってしまったほどの圧倒的存在感だった。

 タムロンのズームレンズの多くは、レンズ外装部にプラスチックを多用しているが、中身、つまりガラスレンズなどを固定する枠(鏡枠、ズーミングするとそこのカム溝に沿ってレンズ群が前後移動する)にはアルミ金属を使っている。こちらのタムロン「16~300mmF3.5~6.3 Di II VC PZD」ズームレンズのカットモデルを見るとわかるだろうけど、白く見えている枠がアルミ金属、黒いのがプラスチック材である。

 最近の他社の傾向としては、望遠系の大型レンズを除いてプラスチック成形された枠を使うメーカーも多いが、タムロンはレンズの大きさや価格にかかわらず耐久性などを優先させて金属鏡枠にこだわっている。そのせいでレンズ本体はどうしても重くなってしまうのだろう。
 なお、言うまでもないことだが、交換レンズにとって金属枠とプラスチック枠、どちらが良いか、については一概には言い切れない。