なんちゃってQuick-Shift Focus Systemだったとは…

リコーイメージング・PENTAX K-S2+smc PENTAX-DA L18~50mmF4~5.6 DC WR RE

 K-S2キットレンズの沈胴式ズーム18~50mmについて3月10日のこのブログで、「AFピント合わせのままMFピント修正が可能なクイックシフトフォーカスシステム(Quick-Shift Focus System)を内蔵…」と書いた。間違いではないが、やや誤解を招く書き方だった(ぼく自身の確認不足による誤解が原因だったのだけど)。




 結論をさきに言うと、じつはあの沈胴式18~50mmには、「Quick-Shift Focus System(クイックシフトフォーカスシステム)」を可能にするための精密メカニズムのユニット(上の写真がそれだ)が組み込まれておらず、ただ、レンズ内の小型モーター(AF駆動用)を利用してAFモードのままMFピント補正をしているにすぎなかったのだ。
 このユニットのサイズは約8mm(径)×約9mm(高さ)という小さなもの。横に写っているのは1円玉。

 ぼくはてっきり、その精密ユニットが入っているものと思い込んでいたのだ。モーター切り替えでAF/MFダイレクトピント補正する安易なやり方をQuick-Shift Focus Systemとよぶのは(実際にリコーイメージングはそう言っている)、いくらなんでも…PENTAXブランドのレンズとしては情けない。

 小さなギアやゴマ粒のようなボールベアリングを組み合わせて作った ━━ ぼくはベトナムのハノイ工場で若い女性がピンセットなど使ってひとつひとつ小さな部品を組み上げていくその様子を見て感動した ━━ その小さなユニットの中で精密なクラッチとギアと胡麻粒ボールベアリングが動いていることにAF/MF切り替え操作をするたびに「指福」を感じていていた。
 それこそがQuick-Shift Focus Systemであるべきなのに、なんてこった、モーターの電気的切り替え操作も同じネーミングにしているとは。なんちゃってQuick-Shift Focus Systemではないか。

 ほんもののQuick-Shift Focus Systemは、ユニットをほらこんな極薄のレンズにも組み込まれて正確に作動させているのだ。

 こうして、カメラやレンズからだんだんと精密メカニズムが消えていき、安易な電気仕掛けになっていくのかなあ。クルマもそうだけど、そのうちにピストンやクランクシャフト、ギアチェンジなど、メカニズムの動く音も感触もなにもしなくなるだろう。
 環境やコストのことを考えれば仕方のないことだろうけど、わがままを言うようだけどぼくはやはり、エンジンやギアやシャッターが動くメカニズムの音や感触のほうを選びたい。