11~24mmのレンズ構成

キヤノン・EOS 5D Mark III+EF11~24mmF4L USM

 この11~24mmズームは11群16枚のレンズ構成で、非球面レンズや超低分散ガラス(スーパーUDやUD)を使ったりしている。スーパーUDやUDレンズは倍率色収差などを抑えるため。ナノ構造の特殊コーティングSWCをキヤノンのレンズでは初めて「2面」に使っている。SWCはとくに超広角系レンズで目立ちやすいゴーストやフレアの発生を避けるため。

 そのレンズ構成図を見てみればわかるが、第1面レンズ(G1)には大型で曲率の高い研削非球面レンズ、第2面レンズ(G2)にも大型のガラスモールド非球面レンズ(たぶん両面非球面)を使っている。球面収差などを抑えることも目的だろうが、それよりも歪曲収差をとことん目立たなくするための「豪華絢爛な2枚の非球面レンズ」と考えたほうがいいだろう。贅沢。
 歪曲収差は、いま画像処理で補正しているメーカーも多いが、この11~24mmは愚直に光学のみで補正している。キヤノンなら画像処理でやりそうな気もしないでもないが、それはやってないらしい。「画像処理で補正、してるんでしょ?」と聞いたらエラく怒られた。すまんかった。

 研削非球面レンズはキヤノンのレンズ製法の自慢の1つ。現在、交換レンズで研削非球面レンズを積極的に使っているのはキヤノンぐらいではないか。
 研削非球面は砥石のようなものを使ってガラスレンズを非球面形状に削って仕上げる。1枚を仕上げるのに、通常研磨の方法よりもずっと時間もかかるし、技術的な難易度も大変に高い。といわれている…実際にその製法を見たことがないし、キヤノンはゼッタイに見せてくれないので想像だけど。

 現在の主流のガラスモールド非球面レンズは、熱を加えて金型でプレスするのでガラス硝材(ガラスレンズの種類と大きさ)が限定される。現在の技術では大きな非球面レンズを作ることが非常に難しい。ところが研削非球面レンズは、製造上、手間もコストもかかるのだが、ガラス硝材の選択範囲が広がる、大きな径の非球面レンズが作れるというメリットがある。
 11~24mmは現在のレンズ形状でも、前玉が大きく飛びだした状態になっているが、もし、第1面G1レンズに通常の球面レンズを使用したとすれば、前玉径はいまよりももっともっと大きくなったといわれる。

 ……いや、いかん、イカン。
 こんな粉っぽく水っぽい話は、よほどのレンズ好き(このぼくがそうだけど)でもない限り、興味ないですよね。そもそもレンズ構成や枚数、特殊レンズのあれこれを知ったところで、写真がウマくなるわけでもない(たぶん)。本日はこのへんにしときましょう。




 ここは有楽町の東京国際フォーラム。上のほうの階に行くと、ちょっとした展望スペースがあってそこから真下にJRの線路が見下ろせる。いつ行っても人はほとんどいない。この日もほぼ貸し切り状態で、天気も良かったので新幹線や山手線の走るのをぼんやりと眺めていた。お断りしておくけど、ぼくは汽車電車はまったくの不如意で無粋。
 それはどうでもいいんだけど、この写真、撮る直前までは窓ガラスのサッシが傾かないように注意してフレーミングしたつもりが、撮っているうちに、ご覧のありさま。意図的に傾けて撮ったわけではない。11mm超広角を使いこなすのは、ほんと、難しいですぞ。