誰もが気軽に超々望遠撮影が愉しめる

ニコン・COOLPIX P900

 P900のレンズシフト式の手ぶれ補正はとても良く効く。換算数千mm相当の超望遠画角でも気軽に手持ち撮影してもほとんどぶれない。1/100秒ぐらいのシャッタースピードでも、たぶん初心者でもだいじょうぶだと思う。とても安定したぶれ補正だ。優れもの。
 以前にここのブログで紹介した同じニコンの300mmF4 PFレンズの不安定なぶれ補正とは大違いだ。
 COOLPIX P610もそうだがこのP900も、新しい手ぶれ補正の方式を採用していることに注目したい。「DDOVR=デュアル・ディフェクト・オプティカル・VR」がそれ。ニコンは「デュアル検知光学VR」とも言っている。VRとはニコンの手ぶれ補正機構のこと。




 一般的なレンズ内手ぶれ補正の方式は、ジャイロ(角速度)センサーを利用してぶれ情報を検知して演算し、補正レンズを最適に動かしてぶれを目立たなくする。ところがP900/P610の「DDOVR」はジャイロセンサーから得た情報に加え、イメージセンサー面からダイレクトにぶれ情報(ぶれ量のベクトル)も検出する。2種類のぶれ情報を合わせて総合的に演算し、より効果的なぶれ補正をおこなうというもの。

 このデュアル検知によりP900/P610ではCIPA準拠で補正効果5段(350mm相当の画角の場合)が得られるという。
 DDOVRは将来、レンズ交換式カメラにも応用ができるかもしれず、 そうなれば、レンズ内ぶれ補正方式のまま平行ぶれ補正や(画像処理の助けをかりれば)回転ぶれの補正もできるかもしれない ━━ ぼくの楽観的な推測だけど。
 ファインダーを覗いている時(ライブビュー時)にも手ぶれ補正がリアルタイムに働いていて、そのおかげで画面がぴたっと止まったように見え、フレーミングもしやすい。このライブビュー時の手ぶれ補正と、実際にシャッターボタンを押し込んだ時の手ぶれ補正とはアルゴリズムが異なることは知っていると思うが、P900はそのライブビュー時の補正アルゴリズムもとても良くてきている。

 だから両手の腕を伸ばしてカメラを構え、バリアングル式の背面液晶モニターを見ながらの撮影はできなくもないが、フレーミングを保持し続けることが難しくあまりおすすめはしない。手持ちで超望遠撮影をするときは、カメラをしっかりと額にくっつけてEVFを覗くようにカメラを構えたほうがいい。
 ただし最高で約7コマ/秒の高速連写は可能だが超望遠にズームしての手持ち+高速連写は不可能とあきらめたほうがいい。連写中に画面があちこちに跳ね飛んで一定のフレーミングを保つことができないからだ(ま、一度試してみればすぐにわかることだけど)。連写するなら三脚にカメラを固定して撮影するしかない。
 なお、P610もP900も、露出オーバー傾向が強い。とくに、やや逆光ぎみのシーンで望遠にズームすると甚だしくオーバー露出になることがある。マイナス露出補正をして撮影したほうがいい。

 P900を使えば、わたしたちがいままで到底、写すこともできなかったシーンや被写体をじつに手軽に写せる、かも。写真の新しい表現領域を切り拓いてくれたという意味で素晴らしいカメラだ。