X-T1の「サブカメラ」にいいかも

富士フイルム・X-T10+XF18~135mmF3.5~5.6 R LM OIS WR

 先週末、六本木ヒルズで京都・祇園祭の山鉾の「出張展示」があった。山鉾を組み立てて、お囃子もやるというので祇園祭の中で育ったぼくとしては見に行ったわけです。
 とうぜんガッカリだったのだけど(見なければよかった…)、とくに山鉾の上でやるお囃子がいけなかった。あの、退屈な「上り囃子(各鉾町から八坂神社に向かうときのお囃子)」ばかりで、聞いていて元気がでる「戻り囃子」をやる気配がいっこうにない。あんな陰気くさいお囃子ばかりを延々とやらず、山鉾は舞台の上に固定されたままなんだから軽快な戻り囃子だけやってくれればよかったのに…。

 さて、XF16mmF1.4レンズについては、まだ話をしたいことがあるけど、それはまたということで新型X-T10について。




 X-T10は、X-T1の弟分のようなカメラ。その外観も、デジタルカメラとしての中身の基本性能も操作系などのデザインもほとんど同じ。
 そのX-T1の基本性能や操作スタイルをそっくり受け継ぎながら、ボディサイズをスリムにして操作性を少し簡便にしたのがX-T10だ。ファインダーはちょっとプアーだけど、こと描写についてはX-T1とまったく同じと考えていいだろう。X-T1にはないストロボが内蔵されたことで、X-T1ユーザーにとって最良の「サブカメラ」となるかもしれない。
 しかし、X-T10を使ってみて、今さらながらだが、やはりX-T1は"名機"だよなあ、とあらためて感心させられた。

 X-T10の操作ダイヤルやボタン、レバーなどのレイアウトなどもX-T1とほぼ同じだが「操作感」がやや異なるところもある。前後コマンドダイヤルの回転が、X-T1に比べてだいぶ軽くなっている。操作感は、このX-T10のほうがいい。
 もうひとつ、X-T10ではコマンドダイヤルにプッシュ機能が備わっている。前後ともダイヤルをプッシュすると、あらかじめ設定しおいたモードがダイレクトに呼び出せる。他のXシリーズの機種にはすでにその機能はあったのだがX-T1にはなかったのだ。たぶん、X-T1は防塵防滴仕様にしたため、機構上プッシュ機能を盛り込むことができなかったのだろう。X-T10はX-T1のような防塵防滴のカメラではないので、回転操作が軽快になったこと、プッシュ機能も盛り込むことができたのだろう。

 X-T10はまだ発売前の新型。X-T1は発売から1年以上たつ現行機種。しかし、新型X-T10を使ってみても、発売から1年以上も過ぎたX-T1がまったく色褪せた感じがしないのは、それはそれですごいことだ。
 さらに、X-T10が発売されるころにX-T1用の新しいファームウエアVer.4.0が公開されるはずで、そのバージョンアップをおこなえばX-T10に搭載された"目玉"の新しいAF機能がそっくりX-T1にも移植される。X-T1が最新型のカメラにモデルチェンジされたほどの大きなファームウエア・バージョンアップだ。他社なら「次機種」まで出し惜しみしておくような内容だと思う。こうしたことがX-T1がいつまでたっても色褪せない原因なのかもしれない。