台湾メーカーのODM製品とOEM製品

ケンコー/トキナー・DSC 880DW

 うじゃうじゃと魚が泳いでいる大きな水槽の中に880DWを突っ込んで"ノーファインダー撮影"したのがこの写真。




 さて、この880DWの発売元はケンコー・トキナーだが ━━ すでに発売をやめているから「だった」というほうが正しいか ━━ 設計と生産は台湾メーカーである(製造は中国)。メーカー名は不明。その台湾のメーカーのODM製品である。カメラの企画から設計、生産をすべて製造メーカーがおこなって、それを発売元(ケンコー・トキナー)のブランド名で納品するというものがODM。
 国内の大手カメラメーカーのブランド製品にも、こうしたODM生産のものがあるし、かっては多くあった。あるいはカメラメーカーが企画と設計をしたうえで、生産を委託するOEM生産をして、それをメーカーのブランドで売っているものもある。ODMもOEMも、台湾のメーカーが請け負っているケースが大変に多い。もちろん、国内のどのカメラメーカーも、ODM製品、OEM製品であるなんてことは一切公表はしていない。

 ただのODM製品である880DWで、とても感心したことがあった。それは同梱されている使用説明書。70ページほどの冊子になっている。もちろん日本語で、その内容は大変に丁寧親切。手間もコストもかかっているだろう。ケンコー・トキナーの保証書もある。お客さま相談室の連絡先もある。このへんの手際の良さ、気配りはケンコー・トキナーという会社の「得意」とするところだ。そもそもケンコーの製品には昔からそうした行き届いた気遣いがある。

 ところで、「ケンコー・トキナー・サービスショップ」 ━━ ショールームをかねている ━━ が、JR中野駅から北側に約10分ほど歩いたところにある。ご存じだろうか。そこにはケンコー・トキナーから発売されているありとあらゆる製品が広いフロアーに、まるで大型カメラ量販店の用品売り場のように一堂にぎっしりと展示されている。交換レンズあり、天体望遠鏡あり、無数のフィルターあり、ワケのわからん小物ありで、ひとつひとつを見たり、触れたり、試したりしていけば一日じゃあともて足りないほどで、暇つぶしには(すまん)こんな愉しい場所はないと思う。

 話を880DWに戻す。
 880DWが生産を中止したのは14mm相当のレンズが手に入らなくなったから、とケンコー・トキナーから聞いた。製造元の台湾メーカーが、どこかから購入していたらしいのだが入手ができなくなったという。1/3.2型センサー用の1.8mmF2.8レンズというから、ほんらいはカメラ用レンズとして開発されたものではなく、おそらく監視カメラ用だったのではないか。
 880DWの生産中止を受けて、「後継機種」としてDSC 1480DWという、同じく防水機能を備え、センサーサイズを1/2.3型の1400万画素に"パワーアップ"したカメラが、つい先日から発売されている。センサーとレンズ以外の基本機能は880DWと同じ。価格は約1万円。しかし残念なことは、1480DWは42mm相当の平凡な画角になってしまった……。うーむ、それにしても超広角14mmの水中コンパクトカメラは魅力的だったなあ。