K-1アップグレードサービス ━━ その2

リコー・PENTAX K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW

 今日はK-1アップグレードサービスのメリットとデメリットなどについて。

 まず、K-1をアップグレードする最大の(唯一の、かな)メリットはといえば、54000円(税込み)の"安い費用"でいままで使い慣れた自分のカメラの撮影機能がアップして最新型カメラ(K-1 Mark II)相当になることである。

 費用の54000円については「高い」と不満を言う人もいるかもしれぬが、基板交換をする手間や材料費、そして同時に各種の調整、清掃もしてくれることを考えれば ━━ メーカーが責任をもって作業をして保証もつく ━━ 決して高い料金ではない。このサービス料でリコーが儲けようとしてないことは少し考えればわかる。




 いま使っているK-1の性能に画質にも満足している。手持ちリアレゾにも高感度の画質にも興味がない。たったそれだけのために54000円も支払う気はない、と考えるならばアップグレードサービスを受けず、そのままK-1を使い続けていればいいだけだ。

 「K-1に対してのファームウエアのアップデートなどは可能な限り対応する予定、継続してフォローはしていきたい」とリコーは言っていた。
 新型カメラが発売されてカメラが旧型となっても(K-1のことだ)、当分の期間はファームウエアのアップデートなどのサービスもしてくれるようだ。

 K-1をアップグレードすれば、今後、そっくりK-1 Mark II対応の最新のファームウエアを受けることができる。K-1 Mark II用にどんなファームアップが予定されているのか不明だが、残念ながら非アップグレードK-1にそれを期待することはできないだろう。

 いっぽう、アップグレードサービスをすることのデメリットとして考えられることはいくつかある。
 そのひとつは、サービスを受けるには(当たり前のことだが)K-1を一定期間手元からなくなってしまうことだ。アップグレードサービスの作業完了まで「カメラを預かってから1週間から10日を目安に」とリコーは言っているが混雑状況によっては、完了して手元に戻ってくるまでにはもっと日数かかかることもあるだろう。その期間、K-1が使えなくなる。

 もし不具合があって修理が必要と判断されたK-1なら ━━ 不具合が修正されるまでアップグレードの作業は受け付けてくれない ━━ 同時に修理することを確約しなければならず、そうなるとさらに不在日数は長くなる(むろん修理代金も加算される)。
 アップグレードを依頼する前に、混雑具合や仕上がり予定日数などを確認しておくことも大事だろう。

 あとは小さなデメリットだが、K-1 Mark II相当のカメラになることで、撮影可能枚数が減ることや連写時のコマ速度も遅くなる(といっても、ごくごくわずかだけど ⇒ 撮影枚数は760枚 → 670枚となり90枚も減るのか)。
 K-1で撮影したRAWファイルをK-1アップグレードモデルを使ってカメラ内RAW現像をすることはできなくなる。機種が変わってしまうためで、現K-1のRAWが新K-1 Mark IIで現像できなくなるのと同じ。RAWの現像はPCのアプリソフトを使用することになる。

 ぼくのように常時カメラ内RAW現像をするものにとってはこれはイタイだろう。PENTAXのカメラの場合、カメラ内RAW現像でしか処理できないこともいくつかあるからだ(PENTAXPENTAX Digital Camera Utilityのデキがもう少し良ければいいのだけど・・・ぶつぶつ)。

 アップグレードしたK-1は、シリアル番号はそのまま受け継ぐものの厳密に言うとMark IIでもなければK-1でもなくなる。メーカー保証はあるが「K-1改造品」となってしまう。
 アップグレードサービスは「修理扱い」として処理されるが、従来と異なる基板と交換して中身は別カメラになるわけだ。もし保険に入っていたりすれば、その「K-1改造品」は以降、どんな扱いになるのか不安ではある。

 以上、デメリットのあれこれを「覚悟」したうえでアップグレードサービスをお受けになられるといいだろう。・・・ぼくは2台あるうちの1台は迷わずアップグレードしてもらいますけど、1台しかなかったらちょっと迷うかもなあ。

2018.04.14 | | -

K-1アップグレードサービス ━━ その1


リコー・PENTAX K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW

 リコーイメージングは来月、5月21日から9月30日までの期間限定で「PENTAX K-1アップグレードサービス」を実施すると発表した。初めてのその話を聞いたときは、にわかには信じられなかった。

 サービスの内容を簡単に言えば ━━ 現行K-1のユーザーなら詳しく周知のことだろうが ━━ K-1のメイン基板をK-1 Mark IIの新型メイン基板とそっくり入れ替えるという有料サービスである。と同時に内部清掃、各種AF/AEなど各種チェック、調整もおこなってくれる。
 新しい基板に交換することで旧型「K-1」は、外装部やメカ/光学部品を除いて機能的にはほぼ完全に新型「K-1 Mark II」になる。だからExifデータも(外観などはK-1のままなのに)K-1ではなくなる。

 ファームウエアをアップデートして機能アップするサービスは多くのメーカーがやっている。しかし、重要パーツを交換をしてカメラ機能をアップ、いや「機種変更」するなんて、そんなこと初めてのことだ。




 K-1アップグレードサービスの内容は、ここの「アップグレードサービス」のページにはあれやこれや詳しく説明されている。
 K-1を使ってないペンタックスユーザーや、他メーカーのユーザーも上記のページ(とくにQ&A)に目を通しておくと、「ほほーっ、そこまでやるか」と感心するに違いない。

 さらに、実際にアップグレードサービスを申し込むにあたっての注意事項については、この「サービス規約」を読んでおくといいだろう。

 K-1の発表時にリコーは、「K-1は息の長いモデルとして育てる。短期間のモデルチェンジはしないつもりだ」と明言(約束)していた。それなのに、たったの2年ほどでモデルチェンジ・・・。
 その約束を反故にしないためにリコーがやったことが、今回の、有料ではあるがK-1アップグレードという「前代未聞」のサービスだったわけだ。

 カメラメーカーもカメラ販売店も、カメラやレンズを売って利益を得る。しかしK-1アップグレードサービスは、新型K-1 Mark IIを購入せずにアップグレードサービスをしてK-1を使い続けるユーザーも多くなる。
 せっかく新型カメラを発売するのにそのカメラが売れない・・・カメラメーカーはむろんカメラ店も儲けはなにもない。

 さらにサービスを受けるにはユーザー自身が直接、リコーのサービス部門(大阪1カ所、東京2カ所)にK-1を持ち込むか、そこにダイレクトに郵送するシステムになっている。カメラ店を経由しないからカメラ店には手数料も入ってこない。お客がカメラ販売店に立ち寄らず店の上を飛んでゆく。
 K-1ユーザーにとっては拍手喝采のサービスだろうが、リコー自身やカメラ販売店にとっては「悪魔のサービス」にもなりかねない。

 そのアップグレードサービスは国内だけでなく世界各国でもおこなう予定になっている。メインテナンスサービスが充実している国内と違って海外は代理店のようなところもあって、どこまで国内と同レベルの対応ができるか、そこも不安材料(リコーやリコーイメージングにとっては)。
 いくら「ユーザーのため」とはいえ、よくも思い切ってこんなにリスキーなサービスをやろうとしたということに驚くと同時に感心し応援もしたくなった。

 次回は、K-1ユーザーにとってアップグレードサービスを受けることが、「損か得」か、などについてあっさりと(の、つもり)。


2018.04.13 | | -

手持ちリアルレゾリューション ━━ その2


リコー・PENTAX K-1 Mark II +HD PENTAX-D FA 28~105mmF3.5~5.6ED DC WR

 PENTAX K-1 Mark IIのリアルレゾリューション撮影モードには大別するとふたつある。ひとつは従来方式の三脚使用(カメラ固定)での撮影が前提のリアレゾモード、もうひとつがK-1 Mark IIに新しく追加された三脚不必要な手持ちリアレゾのモードである。

 三脚使用リアレゾモードの撮影時の注意点は、露光中にカメラをぶらさないこと。このモードでは自動的にシャッターは電子シャッターに固定されてしまうのでメカショックによるぶれの心配はないが、シャッターを切るときのカメラぶれ防止には充分に配慮する必要がある。

 手ぶれ(カメラぶれ)発生で問題になるのはシャッターレリーズの方法である。




 三脚にカメラを固定したら、シャッターはリモートリモコンによるワイヤレスレリーズか、セルフタイマーを利用してレリーズすることだ。オンコードのケーブルスイッチは避けたほうがいい。
 三脚は頑丈で大きく重くなくてもよい。風などで微ぶれしない程度の、ほどほどの三脚であれば充分だろう。くどいが、シャッターを切るときに最新の注意をすることだ。

 こんなふうに従来型のリアレゾ撮影は、あれやこれやとかなり神経を使わなければ「期待する好結果」が得られにくかった。なんとかもっと手軽にリアレゾができるようにならないものか、という要求はユーザーからいつも出ていた。
 それに応えたのが手持ちリアレゾの撮影モードというわけだ。

 手持ちリアレゾは文字通り手持ちの撮影で通常撮影よりも高解像な画像が得られるもの。三脚は不要。従来型リアレゾ撮影と同じく4枚の画像を必要とするが、4コマの撮影中に少しぐらいなら画像が上下左右にずれてもかまわない。
 ただし1コマづつについては、手ぶれしないことは必須条件。そのために手ぶれ補正(SR)は常時ONに設定されている(従来型リアレゾはSRは常時OFFである)。

 三脚不要と言ったのは、撮影した4コマが上下左右にまったくずれないで写ってしまうと狙った高解像な画像に仕上がらず通常の1コマ撮影と結果的には同じ解像感の画像になってしまうためらしい。
 ごくごくわずかでも4画像がずれ(ぶれではない)て写ったほうが結果はよいという ━━ と説明すると、勘のいい人や画像処理に詳しい人は、手持ちリアレゾはどんなことをやっているのかおおよそのことはわかると思う。

 ただ、手持ちリアレゾ撮影で三脚使用はゼッタイ禁止というわけではない。構図を固定して撮影するために三脚を使う場合も多いだろう。そんなときは、三脚に固定したカメラを両手または片手で支えながら指でシャッターを押し込む(といった雑な)撮影スタイルのほうが結果は良くなる。

 とにかく手持ちリアレゾ撮影ではあまり神経質にならず「いつものように」手持ちでシャッターを切って撮影すればいい。
 手持ちリアレゾでは画像ずれにそれほど神経質になる必要はないけれど、撮影中に(1) 前後にずれたり、(2) 回転したり、(3) ぶれて写ったりしないように注意してシャッターを切る必要はある。

 試したK-1 Mark II(ベータ版)の手持ちリアレゾの「今後の改善課題」と思われるものは以下の3点。

 (1) 撮影後の 処理時間が長いこと(約20~30秒間ほどじーっと待ってないと次のカットが撮れない)
 (2) 処理を終えて記録された画像が正しくリアレゾ画像に仕上がっているかどうかがわかりにくいこと(リアレゾ処理されなくても画像が破綻することはないが)
 (3) 撮影シーンによっては部分的にごくわずかだがブロックノイズが出てしまうことがあること

 などである。

 この中で早急に改善してほしいことは、なんといっても処理時間の短縮ですね。これさえ解決すれば手持ちリアレゾはもっともっと使いやすくなるはずです。


2018.04.10 | | -

手持ちリアルレゾリューション ━━ その1


リコー・PENTAX K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW



 PENTAX K-1 Mark IIの「2大特長」のひとつは前回紹介した高ISO感度での画質向上で、もうひとつがバージョンアップした「リアルレゾリューションシステム II」である。
 K-1とK-1 Mark IIのリアルレゾリューションは、複数枚(4枚)の連続撮影をしたあとカメラ内で合成処理することで超解像な画像を得るというもの。

 現行K-1のリアルレゾリューションの撮影では三脚使用が前提(カメラぶれ厳禁)だったが、K-1 Mark IIのリアルレゾリューションシステム IIになって、多少のカメラぶれ(手ぶれ)を許容して手持ち撮影も可能にした「手ぶれ補正モード」を新しく追加した。

 手ぶれ補正モード、とはヘンな名称だが(理由は後述)、一般には「手持ちリアルレゾリューション(略して、手持ちリアレゾ)」とよんだほうがわかりやすい。


 K-1 Mark IIの「リアルレゾリューションシステム II」 ━━ ええいっ面倒だ、以下、「リアレゾシステム」、「リアレゾシステム II」と略す ━━ は以下の通り3モードある。

 ① 三脚リアレゾ(手ぶれ補正OFF)+動体ぶれ補正ON
 ② 三脚リアレゾ(手ぶれ補正OFF)+動体ぶれ補正OFF
 ③ 手持ちリアレゾ(手ぶれ補正ON)+(動体ぶれ補正ON)

 つまり、①と②が現行K-1のリアレゾシステム、①+②+③がリアレゾシステム IIということになるわけだ。




 上のメニュー画面が現行K-1のもの、下の画面がK-1 Mark IIのメニュー画面で、そのいちばん上が①動体ぶれ補正ONリアレゾ、次が②動画ぶれ補正OFFリアレゾ、その下の赤丸印が③手持ちリアレゾ(最下段はリアレゾモードOFFの通常撮影に戻るモード)。

 このリアレゾ撮影では露光中に被写体がぶれると、そのぶれた部分が異常ノイズとして描写されてしまう。その異常ノイズの発生を防ぐのが②動体ぶれ補正ONモード。
 被写体がたとえば木々が風にそよぐとか人やクルマが動くシーンを撮影するときは、ぶれた部分をウマく処理してノイズを除去する機能を備えた①動体ぶれ補正ONを選ぶといい。被写体がまったくぶれないシーンでは、②動体ぶれ補正OFFを選んで撮影するほうが「より」高解像な画像が得られる。

 なお、①も②も手ぶれ補正(SR)は強制的にOFFになる。
 ①と②は電子シャッターによる撮影であるが、③手持ちリアレゾは通常のメカシャッターになる。
 その③手持ちリアレゾであるが、こちらは動体ぶれ補正は常時ON、手ぶれ補正も常時ONである(どちらもOFFにはできない)。

 ③手持ちリアレゾは、①と②のリアレゾとは画像処理の方法がまったく異なる。このへんの説明はややこしいし(知ったところであまり役にはたたない)、リコーも手持ちリアレゾについては処理の内容を非公開にしているので以下省略する。

 ただ、ひとつだけ知っておいてほしいことは、①と②は色モアレや偽色はほとんど発生しないが、③ではシーンによっては目立つこともある、ということぐらいだろう。
 なお仕上がり画像の解像感は、①動体ぶれ補正ONよりも②動体ぶれ補正OFFのほうが良い。③手ぶれリアレゾは②動体ぶれ補正ONよりも、解像感は少しだけ劣る。
 解像感の良さから順番に、僅差だけど「②>①>③」といったところか。

 次回は、手持ちリアレゾで撮ってみた印象や、撮影時の注意点などを。


2018.04.08 | | -

K-1 Mark IIのアクセラレーターユニットの謎

リコー・PENTAX K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 28~105mmF3.5~5.6ED DC WR

 この「Photo of the Day」は、前回が2月中旬だったから約一ヶ月半ぶり、といいますか、約一ヶ月半も「ほったらかし状態」だった(反省・・・)。

 というわけで、ぽつりぽつりと再開することにして、まず本日はペンタックスのK-1 Mark IIの話から。
 新しく搭載されたアクセラレーターユニットのことや改良された高ISO感度の画質のこと、手持ちリアルレゾリューションのこと、そしてK-1アップグレードサービスのことなどを何回かに分けてつづけていくつもり。




 K-1 Mark IIは今月、4月20日から国内での発売が始まるが、アメリカやヨーロッパでは3月下旬あたりからさっさと発売を開始している(理由は不明)。

 いうまでもないがK-1 Mark IIは現行のK-1に代わる後継機種というかマイナーチェンジ機種だがボディ外観も(サイズも重さも)操作類も変化なし。ただ1つ、ボディ正面から見て右端のカメラ名印字が「K-1」から「K-1 II」になったこと(だけ)が相違点と言えるか。
 しかし「中身」は進化されている。リコーが公表している「K-1 ⇒ K-1 Mark IIの進化ポイント」のおもなものは以下の通り。

 (1) アクセラレーターユニットを新しく搭載
 (2) 高ISO感度の画質を向上させ、最高感度をISO819200にアップ
 (2) 手持ちでリアルレゾリューション撮影のモードを追加
 (3) AF-C連続動体撮影やAF-Sの測距スピードなどを改善
 (4) アウトドアモニターの表示を改良して暗所での視認性を向上

 アクセラレーターユニット(LSI)の「実力や働き」についてはリコーは詳しい説明を避けている。謎が多い。
 詳細は不明だが、とりあえず今のところは画像処理にかかわる演算処理を助ける(高速化する)ため働きをしている、ようだが、将来はアクセラレーターユニットを使って「他のこと」もできる可能性だってある。不思議いっぱいのアクセラレータユニット。

 このアクセラレーターユニットを搭載したことで、膨大な演算を高速処理しなけれならいノイズ低減処理に大いに役立っているのは確かだ。それにより従来型K-1よりも、とくに高ISO感度での画質を向上させ、結果的に最高ISO感度を2EVぶん(ISO204800からISO819200に)アップしている。
 確かに、高ISO感度域での画質(ノイズ、解像感、色調など)は従来型K-1よりも明らかに良くなっている。ベータ版の機種を使っての平均的な印象だが従来型K-1よりも「約1.5EV」ほどの差がある。

 アクセラレーターユニットはすでにK-70やKPに搭載されていて高感度時の画質を向上させている。とくにKPではすでにK-1 Mark IIの最高ISO感度と同じISO819000が設定できる。
 K-1 Mark IIに新しく搭載されたアクセラレーターユニット「そのもの」は、K-70やKPに使用しているものと同じもののようだ ━━ ただし処理演算アルゴリズムは機種が新しくなるほど改善され進化しているはずだから今のところK-1 Mark IIの画質がいちばん良いといってもいいだろう。

 ところで、KPとK-1の発表時期は数ヶ月の違いしかなかった。ならば、なぜ当初からK-1にアクセラレータユニットを搭載しておかなかったのだろうか、と考えるのも至極当然。
 じつは開発段階ではK-1にアクセラレーターユニットを組み込むことを前提にしていたようだ。
 リコー側の言い訳としては「発売予定時期にどうしても間に合わない。搭載することは不可能ではなかったが、そうすると発売時期が数ヶ月以上遅れてしまう。でなくてもPENTAXのフルサイズ判をお客さんに長く待ってもらっているのに、それはできなかった・・・」ということらしい。



 従来型K-1のメイン基板と新K-1 Mark IIのメイン基板を見比べてみると(赤丸で囲ったものがアクセラレーターユニット)、従来型のそれにはアクセラレーターユニットを組み込むための「ムダ」な(と、見える)スペースが広く占めていることがよくわかる。

 K-1 Mark IIは「念願」のアクセラレーターユニットを搭載したことでようやく当初の理想型K-1に仕上がったと考えられなくもない。


2018.04.06 | | -

ファインダー倍率0.75倍(後編)

ニコン・D850 +シグマ・35mmF1.4 DG HSM Art

 一眼レフカメラの光学ファインダーの「性能」を判断するスペック的な要素は3つある。D850のファインダースペックは以下の通り(前回ブログの繰り返しになるが)。

 (1) アイレリーフ(アイポイント) ━━ 17mm
 (2) ファインダー倍率 ━━ 0.75倍
 (3) ファインダー視野率 ━━ 約100%

 ではD850の前モデルのD810 ━━ D810のモデルチェンジ機種がD850であるとは思えない、そう感じるほどカメラ全体の充実度に「違い」があるのだが ━━ その旧型D810の光学ファインダーのスペックは。

 (1) アイレリーフ(アイポイント) ━━ 17mm
 (2) ファインダー倍率 ━━ 0.70倍
 (3) ファインダー視野率 ━━ 約100%




 ファインダー数値にかんしてD850とD810との違い、といえばファインダー倍率だけ。ではファインダーを覗き比べたときどんな違いがあるかといえば、こんなふうである。左がD850、右がD810。

 つぎにニコン一眼レフシリーズのフラッグシップ機種であるD5のほうはどうか。

 (1) アイレリーフ(アイポイント) ━━ 18mm
 (2) ファインダー倍率 ━━ 0.72倍
 (3) ファインダー視野率 ━━ 約100%

 これらのスペックの数値を比べるとD850の「ファインダー倍率、0.75倍」が目立つ。ここがD850のファインダー開発でもっともがんばったところではないだろうか。D5の0.72倍のファインダーよりも「大きく」見える。
 しかしここで注目したいのはアイレリーフ。
 最近のニコン一眼レフカメラでアイレリーフが20mmを越える機種がほとんど見あたらない。

 では、ニコン一眼レフカメラの"永遠ライバル"であるキヤノン一眼レフの光学ファインダーと見比べてみたい。まずはEOS-1D X Mk2。

 (1) アイレリーフ(アイポイント) ━━ 20mm
 (2) ファインダー倍率 ━━ 0.76倍
 (3) ファインダー視野率 ━━ 約100%

 つぎにEOS 5D Mk4。

 (1) アイレリーフ(アイポイント) ━━ 21mm
 (2) ファインダー倍率 ━━ 0.71倍
 (3) ファインダー視野率 ━━ 約100%

 キヤノン一眼レフは1D X Mk2も5D Mk4も、20mm以上のロングアイレリーフを確保して、さらに視野率は約100%で、ファインダー倍率も0.7倍以上を確保している。対してニコン一眼レフのアイレリーフは、それらと数値を比べると17~18mmとややプアーな感じがしないでもない。

 少しぐらいのファインダー倍率の違いよりも、(ぼくとしては)アイレリーフが長いほうがファインダーは見やすい、気持ちよく見えるのではないかと思っている。
 ニコン一眼レフがなぜ、20mm以下のアイレリーフで「満足」しているのだろうか? こうした基本的な光学技術はキヤノンもニコンもそう差はないはずだ。キヤノンにできてニコンにできない、なんてちょっと考えにくい。

 ところが、だ。
 アイレリーフ21mm、倍率0.71倍の5D Mk4と、アイレリーフ17mm、倍率0.75倍のD850とを、同じ焦点距離のレンズをセットして(メガネをかけて)覗き比べてみると、D850のほうがファインダー内画面が見やすいし、画面外の情報表示文字の視認性も良い(5D Mk4のファインダー視認性が良くないとは言っていないですよ、念のため)。
 D850と5D Mk4とでは、ファインダー倍率はともかくとしてアイレリーフ4mmの差をまったく感じない、D850のそんな見え具合なのだ。

 これはいったいどうしてだろうか。ソコの理屈がどうもよくわからない。アイレリーフの長さを測る基準はCIPAで決められているから条件は同じのはず。ニコンの光学ファインダーの仕組みになにか秘密が隠されているのだろうか。
 いままでのぼくの経験では、ニコンにはこうした「不思議」なことがよくあって、そのたびにいつも悩ましい思いをする。

(ここで追伸)

 ぼくはアイレリーフはファインダー光学系最終面からアイポイントまでの(保護ガラスは含まない)距離、とすっかりそう思い込んでいました。
 ところが読者の方から先ほど、「CIPAのガイドラインでは保護ガラスを含むファインダー光学系からの距離であって、ニコン一眼レフの丸型接眼部には保護ガラスがあり、だからアイレリーフ数値が短いのだ」、とのご指摘がありました。

 もう一度CIPAガイドラインを読み直してみると、まったくその通りでした。
 ご指摘してもらってニコン光学ファインダーの「不思議」が解決しました。

 つまり、そういうわけでニコンのアイレリーフは接眼部保護ガラスのせいで数値上、ソンをしているわけです。
 ニコンは、他のメーカーのアイレリーフの測りかたと同じように、保護ガラスなしでのアイレリーフの付記しておけばいいのに。いや、ま、そこがニコンらしいところではありますが。


2018.02.14 | | -

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