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手持ちリアルレゾリューション ━━ その2


リコー・PENTAX K-1 Mark II +HD PENTAX-D FA 28~105mmF3.5~5.6ED DC WR

 PENTAX K-1 Mark IIのリアルレゾリューション撮影モードには大別するとふたつある。ひとつは従来方式の三脚使用(カメラ固定)での撮影が前提のリアレゾモード、もうひとつがK-1 Mark IIに新しく追加された三脚不必要な手持ちリアレゾのモードである。

 三脚使用リアレゾモードの撮影時の注意点は、露光中にカメラをぶらさないこと。このモードでは自動的にシャッターは電子シャッターに固定されてしまうのでメカショックによるぶれの心配はないが、シャッターを切るときのカメラぶれ防止には充分に配慮する必要がある。

 手ぶれ(カメラぶれ)発生で問題になるのはシャッターレリーズの方法である。




 三脚にカメラを固定したら、シャッターはリモートリモコンによるワイヤレスレリーズか、セルフタイマーを利用してレリーズすることだ。オンコードのケーブルスイッチは避けたほうがいい。
 三脚は頑丈で大きく重くなくてもよい。風などで微ぶれしない程度の、ほどほどの三脚であれば充分だろう。くどいが、シャッターを切るときに最新の注意をすることだ。

 こんなふうに従来型のリアレゾ撮影は、あれやこれやとかなり神経を使わなければ「期待する好結果」が得られにくかった。なんとかもっと手軽にリアレゾができるようにならないものか、という要求はユーザーからいつも出ていた。
 それに応えたのが手持ちリアレゾの撮影モードというわけだ。

 手持ちリアレゾは文字通り手持ちの撮影で通常撮影よりも高解像な画像が得られるもの。三脚は不要。従来型リアレゾ撮影と同じく4枚の画像を必要とするが、4コマの撮影中に少しぐらいなら画像が上下左右にずれてもかまわない。
 ただし1コマづつについては、手ぶれしないことは必須条件。そのために手ぶれ補正(SR)は常時ONに設定されている(従来型リアレゾはSRは常時OFFである)。

 三脚不要と言ったのは、撮影した4コマが上下左右にまったくずれないで写ってしまうと狙った高解像な画像に仕上がらず通常の1コマ撮影と結果的には同じ解像感の画像になってしまうためらしい。
 ごくごくわずかでも4画像がずれ(ぶれではない)て写ったほうが結果はよいという ━━ と説明すると、勘のいい人や画像処理に詳しい人は、手持ちリアレゾはどんなことをやっているのかおおよそのことはわかると思う。

 ただ、手持ちリアレゾ撮影で三脚使用はゼッタイ禁止というわけではない。構図を固定して撮影するために三脚を使う場合も多いだろう。そんなときは、三脚に固定したカメラを両手または片手で支えながら指でシャッターを押し込む(といった雑な)撮影スタイルのほうが結果は良くなる。

 とにかく手持ちリアレゾ撮影ではあまり神経質にならず「いつものように」手持ちでシャッターを切って撮影すればいい。
 手持ちリアレゾでは画像ずれにそれほど神経質になる必要はないけれど、撮影中に(1) 前後にずれたり、(2) 回転したり、(3) ぶれて写ったりしないように注意してシャッターを切る必要はある。

 試したK-1 Mark II(ベータ版)の手持ちリアレゾの「今後の改善課題」と思われるものは以下の3点。

 (1) 撮影後の 処理時間が長いこと(約20~30秒間ほどじーっと待ってないと次のカットが撮れない)
 (2) 処理を終えて記録された画像が正しくリアレゾ画像に仕上がっているかどうかがわかりにくいこと(リアレゾ処理されなくても画像が破綻することはないが)
 (3) 撮影シーンによっては部分的にごくわずかだがブロックノイズが出てしまうことがあること

 などである。

 この中で早急に改善してほしいことは、なんといっても処理時間の短縮ですね。これさえ解決すれば手持ちリアレゾはもっともっと使いやすくなるはずです。


手持ちリアルレゾリューション ━━ その1


リコー・PENTAX K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW



 PENTAX K-1 Mark IIの「2大特長」のひとつは前回紹介した高ISO感度での画質向上で、もうひとつがバージョンアップした「リアルレゾリューションシステム II」である。
 K-1とK-1 Mark IIのリアルレゾリューションは、複数枚(4枚)の連続撮影をしたあとカメラ内で合成処理することで超解像な画像を得るというもの。

 現行K-1のリアルレゾリューションの撮影では三脚使用が前提(カメラぶれ厳禁)だったが、K-1 Mark IIのリアルレゾリューションシステム IIになって、多少のカメラぶれ(手ぶれ)を許容して手持ち撮影も可能にした「手ぶれ補正モード」を新しく追加した。

 手ぶれ補正モード、とはヘンな名称だが(理由は後述)、一般には「手持ちリアルレゾリューション(略して、手持ちリアレゾ)」とよんだほうがわかりやすい。


 K-1 Mark IIの「リアルレゾリューションシステム II」 ━━ ええいっ面倒だ、以下、「リアレゾシステム」、「リアレゾシステム II」と略す ━━ は以下の通り3モードある。

 ① 三脚リアレゾ(手ぶれ補正OFF)+動体ぶれ補正ON
 ② 三脚リアレゾ(手ぶれ補正OFF)+動体ぶれ補正OFF
 ③ 手持ちリアレゾ(手ぶれ補正ON)+(動体ぶれ補正ON)

 つまり、①と②が現行K-1のリアレゾシステム、①+②+③がリアレゾシステム IIということになるわけだ。




 上のメニュー画面が現行K-1のもの、下の画面がK-1 Mark IIのメニュー画面で、そのいちばん上が①動体ぶれ補正ONリアレゾ、次が②動画ぶれ補正OFFリアレゾ、その下の赤丸印が③手持ちリアレゾ(最下段はリアレゾモードOFFの通常撮影に戻るモード)。

 このリアレゾ撮影では露光中に被写体がぶれると、そのぶれた部分が異常ノイズとして描写されてしまう。その異常ノイズの発生を防ぐのが②動体ぶれ補正ONモード。
 被写体がたとえば木々が風にそよぐとか人やクルマが動くシーンを撮影するときは、ぶれた部分をウマく処理してノイズを除去する機能を備えた①動体ぶれ補正ONを選ぶといい。被写体がまったくぶれないシーンでは、②動体ぶれ補正OFFを選んで撮影するほうが「より」高解像な画像が得られる。

 なお、①も②も手ぶれ補正(SR)は強制的にOFFになる。
 ①と②は電子シャッターによる撮影であるが、③手持ちリアレゾは通常のメカシャッターになる。
 その③手持ちリアレゾであるが、こちらは動体ぶれ補正は常時ON、手ぶれ補正も常時ONである(どちらもOFFにはできない)。

 ③手持ちリアレゾは、①と②のリアレゾとは画像処理の方法がまったく異なる。このへんの説明はややこしいし(知ったところであまり役にはたたない)、リコーも手持ちリアレゾについては処理の内容を非公開にしているので以下省略する。

 ただ、ひとつだけ知っておいてほしいことは、①と②は色モアレや偽色はほとんど発生しないが、③ではシーンによっては目立つこともある、ということぐらいだろう。
 なお仕上がり画像の解像感は、①動体ぶれ補正ONよりも②動体ぶれ補正OFFのほうが良い。③手ぶれリアレゾは②動体ぶれ補正ONよりも、解像感は少しだけ劣る。
 解像感の良さから順番に、僅差だけど「②>①>③」といったところか。

 次回は、手持ちリアレゾで撮ってみた印象や、撮影時の注意点などを。


K-1 Mark IIのアクセラレーターユニットの謎

リコー・PENTAX K-1 Mark II + HD PENTAX-D FA 28~105mmF3.5~5.6ED DC WR

 この「Photo of the Day」は、前回が2月中旬だったから約一ヶ月半ぶり、といいますか、約一ヶ月半も「ほったらかし状態」だった(反省・・・)。

 というわけで、ぽつりぽつりと再開することにして、まず本日はペンタックスのK-1 Mark IIの話から。
 新しく搭載されたアクセラレーターユニットのことや改良された高ISO感度の画質のこと、手持ちリアルレゾリューションのこと、そしてK-1アップグレードサービスのことなどを何回かに分けてつづけていくつもり。




 K-1 Mark IIは今月、4月20日から国内での発売が始まるが、アメリカやヨーロッパでは3月下旬あたりからさっさと発売を開始している(理由は不明)。

 いうまでもないがK-1 Mark IIは現行のK-1に代わる後継機種というかマイナーチェンジ機種だがボディ外観も(サイズも重さも)操作類も変化なし。ただ1つ、ボディ正面から見て右端のカメラ名印字が「K-1」から「K-1 II」になったこと(だけ)が相違点と言えるか。
 しかし「中身」は進化されている。リコーが公表している「K-1 ⇒ K-1 Mark IIの進化ポイント」のおもなものは以下の通り。

 (1) アクセラレーターユニットを新しく搭載
 (2) 高ISO感度の画質を向上させ、最高感度をISO819200にアップ
 (2) 手持ちでリアルレゾリューション撮影のモードを追加
 (3) AF-C連続動体撮影やAF-Sの測距スピードなどを改善
 (4) アウトドアモニターの表示を改良して暗所での視認性を向上

 アクセラレーターユニット(LSI)の「実力や働き」についてはリコーは詳しい説明を避けている。謎が多い。
 詳細は不明だが、とりあえず今のところは画像処理にかかわる演算処理を助ける(高速化する)ため働きをしている、ようだが、将来はアクセラレーターユニットを使って「他のこと」もできる可能性だってある。不思議いっぱいのアクセラレータユニット。

 このアクセラレーターユニットを搭載したことで、膨大な演算を高速処理しなけれならいノイズ低減処理に大いに役立っているのは確かだ。それにより従来型K-1よりも、とくに高ISO感度での画質を向上させ、結果的に最高ISO感度を2EVぶん(ISO204800からISO819200に)アップしている。
 確かに、高ISO感度域での画質(ノイズ、解像感、色調など)は従来型K-1よりも明らかに良くなっている。ベータ版の機種を使っての平均的な印象だが従来型K-1よりも「約1.5EV」ほどの差がある。

 アクセラレーターユニットはすでにK-70やKPに搭載されていて高感度時の画質を向上させている。とくにKPではすでにK-1 Mark IIの最高ISO感度と同じISO819000が設定できる。
 K-1 Mark IIに新しく搭載されたアクセラレーターユニット「そのもの」は、K-70やKPに使用しているものと同じもののようだ ━━ ただし処理演算アルゴリズムは機種が新しくなるほど改善され進化しているはずだから今のところK-1 Mark IIの画質がいちばん良いといってもいいだろう。

 ところで、KPとK-1の発表時期は数ヶ月の違いしかなかった。ならば、なぜ当初からK-1にアクセラレータユニットを搭載しておかなかったのだろうか、と考えるのも至極当然。
 じつは開発段階ではK-1にアクセラレーターユニットを組み込むことを前提にしていたようだ。
 リコー側の言い訳としては「発売予定時期にどうしても間に合わない。搭載することは不可能ではなかったが、そうすると発売時期が数ヶ月以上遅れてしまう。でなくてもPENTAXのフルサイズ判をお客さんに長く待ってもらっているのに、それはできなかった・・・」ということらしい。



 従来型K-1のメイン基板と新K-1 Mark IIのメイン基板を見比べてみると(赤丸で囲ったものがアクセラレーターユニット)、従来型のそれにはアクセラレーターユニットを組み込むための「ムダ」な(と、見える)スペースが広く占めていることがよくわかる。

 K-1 Mark IIは「念願」のアクセラレーターユニットを搭載したことでようやく当初の理想型K-1に仕上がったと考えられなくもない。


ファインダー倍率0.75倍(後編)

ニコン・D850 +シグマ・35mmF1.4 DG HSM Art

 一眼レフカメラの光学ファインダーの「性能」を判断するスペック的な要素は3つある。D850のファインダースペックは以下の通り(前回ブログの繰り返しになるが)。

 (1) アイレリーフ(アイポイント) ━━ 17mm
 (2) ファインダー倍率 ━━ 0.75倍
 (3) ファインダー視野率 ━━ 約100%

 ではD850の前モデルのD810 ━━ D810のモデルチェンジ機種がD850であるとは思えない、そう感じるほどカメラ全体の充実度に「違い」があるのだが ━━ その旧型D810の光学ファインダーのスペックは。

 (1) アイレリーフ(アイポイント) ━━ 17mm
 (2) ファインダー倍率 ━━ 0.70倍
 (3) ファインダー視野率 ━━ 約100%




 ファインダー数値にかんしてD850とD810との違い、といえばファインダー倍率だけ。ではファインダーを覗き比べたときどんな違いがあるかといえば、こんなふうである。左がD850、右がD810。

 つぎにニコン一眼レフシリーズのフラッグシップ機種であるD5のほうはどうか。

 (1) アイレリーフ(アイポイント) ━━ 18mm
 (2) ファインダー倍率 ━━ 0.72倍
 (3) ファインダー視野率 ━━ 約100%

 これらのスペックの数値を比べるとD850の「ファインダー倍率、0.75倍」が目立つ。ここがD850のファインダー開発でもっともがんばったところではないだろうか。D5の0.72倍のファインダーよりも「大きく」見える。
 しかしここで注目したいのはアイレリーフ。
 最近のニコン一眼レフカメラでアイレリーフが20mmを越える機種がほとんど見あたらない。

 では、ニコン一眼レフカメラの"永遠ライバル"であるキヤノン一眼レフの光学ファインダーと見比べてみたい。まずはEOS-1D X Mk2。

 (1) アイレリーフ(アイポイント) ━━ 20mm
 (2) ファインダー倍率 ━━ 0.76倍
 (3) ファインダー視野率 ━━ 約100%

 つぎにEOS 5D Mk4。

 (1) アイレリーフ(アイポイント) ━━ 21mm
 (2) ファインダー倍率 ━━ 0.71倍
 (3) ファインダー視野率 ━━ 約100%

 キヤノン一眼レフは1D X Mk2も5D Mk4も、20mm以上のロングアイレリーフを確保して、さらに視野率は約100%で、ファインダー倍率も0.7倍以上を確保している。対してニコン一眼レフのアイレリーフは、それらと数値を比べると17~18mmとややプアーな感じがしないでもない。

 少しぐらいのファインダー倍率の違いよりも、(ぼくとしては)アイレリーフが長いほうがファインダーは見やすい、気持ちよく見えるのではないかと思っている。
 ニコン一眼レフがなぜ、20mm以下のアイレリーフで「満足」しているのだろうか? こうした基本的な光学技術はキヤノンもニコンもそう差はないはずだ。キヤノンにできてニコンにできない、なんてちょっと考えにくい。

 ところが、だ。
 アイレリーフ21mm、倍率0.71倍の5D Mk4と、アイレリーフ17mm、倍率0.75倍のD850とを、同じ焦点距離のレンズをセットして(メガネをかけて)覗き比べてみると、D850のほうがファインダー内画面が見やすいし、画面外の情報表示文字の視認性も良い(5D Mk4のファインダー視認性が良くないとは言っていないですよ、念のため)。
 D850と5D Mk4とでは、ファインダー倍率はともかくとしてアイレリーフ4mmの差をまったく感じない、D850のそんな見え具合なのだ。

 これはいったいどうしてだろうか。ソコの理屈がどうもよくわからない。アイレリーフの長さを測る基準はCIPAで決められているから条件は同じのはず。ニコンの光学ファインダーの仕組みになにか秘密が隠されているのだろうか。
 いままでのぼくの経験では、ニコンにはこうした「不思議」なことがよくあって、そのたびにいつも悩ましい思いをする。

(ここで追伸)

 ぼくはアイレリーフはファインダー光学系最終面からアイポイントまでの(保護ガラスは含まない)距離、とすっかりそう思い込んでいました。
 ところが読者の方から先ほど、「CIPAのガイドラインでは保護ガラスを含むファインダー光学系からの距離であって、ニコン一眼レフの丸型接眼部には保護ガラスがあり、だからアイレリーフ数値が短いのだ」、とのご指摘がありました。

 もう一度CIPAガイドラインを読み直してみると、まったくその通りでした。
 ご指摘してもらってニコン光学ファインダーの「不思議」が解決しました。

 つまり、そういうわけでニコンのアイレリーフは接眼部保護ガラスのせいで数値上、ソンをしているわけです。
 ニコンは、他のメーカーのアイレリーフの測りかたと同じように、保護ガラスなしでのアイレリーフの付記しておけばいいのに。いや、ま、そこがニコンらしいところではありますが。


ファインダー倍率0.75倍(前編)

ニコン・D850 +タムロン・SP 70~200mmF2.8 Di VC USD G2

 いきなり役にも立たない話からはじめるが、D850のようなカメラを通常、わたしたちは一眼レフカメラとよんでいるが、それをニコンの正式型式名では「レンズ交換式一眼レフレックスタイプデジタルカメラ」と長ったらしい言い方をしている。
 ちなみにキヤノンでは、「デジタル一眼レフレックスAF・AEカメラ」、リコー/ペンタックスでは、「TTL AE・AF一眼レフデジタルカメラ」と言っている。

 それぞれの正式型式名に共通している「一眼レフ」カメラの最大の魅力こそが、光学ファインダー。
 光学ファインダーにはむろん欠点があれこれあるのは承知の上だが、文字通り眼の延長として撮影シーンを観察できる、撮影構図のフレーミングに集中できる、高速で微妙に変化するシーンをリアルタイムで見続けられる、撮影結果に至るまでの想像力と創造力が広がる、といった利点がある。
 いわゆるミラーレスカメラや電子式ファインダー(EVF)カメラでは到底味わえない視覚的快感がある(個人的見解)。




 一眼レフカメラ光学ファインダーの「視覚的な良さ」を決めるスペック的な要素の中でおもなものとして3つある。
  ━━ この3つはEVFでも同じように大切な要素だが、電子的に調整できる(ごまかせる)部分がなくもない。しかし光学ファインダーでは優れた光学系、部品や組み立て精度をもってして理想値に近づけなくてはならない。その昔ながらの真っ向勝負のカメラ制作姿勢が一眼レフカメラのもうひとつの魅力でもある(超個人的見解) ━━ 。

光学ファインダー3大要素(順不同)。
 (1) アイレリーフ(アイポイント)
 (2) ファインダー倍率
 (3) ファインダー視野率

 「アイレリーフ」とはファインダーを覗いて画面の隅々までけられることなく見える、そのときの眼の位置(アイポイント)からファインダー光学系最終面までの距離をいう。

 アイレリーフが長いほどファインダーから眼を離しても画面全体を見ることができる。アイレリーフが短いと、ファインダー接眼部に眼を近づけて覗いても画面全体が気持ちよく見渡せない。メガネをかけたままだとアイポイント位置が遠くなり見えはさらに悪くなる。
 アイレリーフはそこそこの長さがあるほうがよい。スペック表に17mmとか21mmとか書いてある。

 「倍率」とはアイポイントからファインダー内の画面を見たとき、肉眼で見たシーンと比べてどれくらいのサイズ比率になるかの目安数値。

 倍率が「1」なら等倍、すなわちファインダーを覗いて見える画面と、実際に肉眼で見たものが「同じ大きさ」で見える(50mmレンズセットで無限遠ピントのとき)。倍率が「1」より小さくなるとファインダー画面はそれだけ小さく見える。
 ファインダー倍率は「1」より大きすぎても小さすぎてもよろしくない。理想は肉眼と同じ大きさに見える倍率1が、または限りなく1に近い倍率がよい。スペック表には倍率0.75倍とか0.71倍などと記載されている ━━ フルサイズ判での話で、APS-C判では表記が異なるので注意。

 「視野率」とはファインダーで見える画面範囲がそっくりそのまま写せるかどうかの目安のパーセント数値。視野率100%であればファインダーで見たままが正確に写る。

 100%以上なら見ているファインダー画面よりも狭い範囲しか写らない。100%以下ならファインダー画面よりも広い範囲が写る。視野率100%なら見た範囲がそっくりそのまま写るからいちばんよいのだが、光学ファインダーで100%を達成するには難易度は大変に高くなるしコストもかかる。
 もし見ているファインダー画面よりも広く写るか狭く写るかどちらのほうがいいかと言えば、そりゃ文句なしに広く写るほうがいい。つまり100%以上よりも100%以下のほうが(消去法で言えば)よい。スペック表には視野率約100%とか97%とか記載されている。

 さて、ここでようやくD850の光学ファインダーの話になるのだけど、しかし、前置きの話が長すぎて読んでもらっている皆さんも退屈になっただろうから、この続きは次回にしたい。D850のというよりも、ニコンの光学ファインダーで、なんとも合点のいかない不思議なことがあって、それについて次回で述べたいのだ(ただし、ソレを読んでも写真がウマくなるわけじゃないですけど)。

 というわけで、とりあえずD850の光学ファインダースのペックは以下の通り。

 (1) アイレリーフ(アイポイント)は、「17mm」
 (2) ファインダー倍率は、「0.75倍」
 (3) ファインダー視野率は、「約100%」


手軽なフィルムスキャナとしても使える画期的カメラ

ニコン・D850 +AF-S Micro NIKKOR 60mmF2.8G ED

 D850は4545万画素の高画素で記録できて、最高ISO感度は最高ISO102400相当で撮影可能だし、この高画素で7コマ秒から最高9コマ秒の高速連写ができる、電子シャッターによるサイレント撮影モードも備え、フォーカスシフト機能があり、AF性能も良くなりAF測距ポイントも大幅増だし、カメラ内でRAW現像の一括処理ができるし、フルフレーム4K動画やその動画から静止画の切り出しも可能で、ファインダー倍率は0.75倍になったし・・・。

 などなど、と新しい機能や機構がいっぱいあって詳しく説明していけばキリがないからこのへんでやめる。
 ま、そんなカメラですよ、D850って。

 そのD850の撮影機能の中で、「おおっ、ようやく対応してくれたかっ」と"感動"したのが「ネガフィルムデジタイズ」のモードだ。
 ネガフィルムデジタイズ機能とはモノクロネガやカラーネガのフィルムをD850で撮影複写するとポジのデジタル画像に自動的に「反転変換」してくれるもの。モノクロネガはPCソフトのネガ反転機能などを使えばそこそこのポジ変換はできるがカラーネガとなるとちょっと厄介で専用スキャナを使わざるを得ない。

 それが、D850を使ってネガフィルムデジタイズのモードに切り替えてフィルムを「複写デュープ撮影」するだけで容易に約4500万画素相当のデジタル画像が得られるというわけだ。




 いま多くの人が活用しているデジタルカメラは、そもそもはフィルムカメラのシステムや機構をそっくり借用してできあがっているモノだ。フィルムカメラがあってこそのいまのデジタルカメラだ。
 そのデジタルカメラはいまじゃ大きな顔をして偉そうにしいるが、しかしフィルムカメラの「恩」を決して忘れちゃいけない。

 その「恩」に報いることのひとつがフィルムカメラで撮影したアナログ画像を手軽にデジタル画像化することだ(と、ぼくは強く思い続けてきた)。
 ところがデジタルカメラがどんどん進化し機能も増やしているのにフィルム画像のデジタル化にはいっこうに見向きもしなかった。

 カラーネガフィルムを反転ポジ画像にするにはフィルムのオレンジベースの色を判別して最適な色変換処理をする必要がある。それには少なからずのノウハウが必要である。
 ニコンはフィルムスキャナなどを手がけたメーカーだから、そのへんは比較的容易にできたのだろう。D850がようやくそれに本格的に対応した。いささか遅きに失した感もなくもないが、でもニコン以外のデジタルカメラメーカーはその気配さえ見せない。その点、ニコンは偉いぞ。

 マクロレンズと、乳白色のディフィーザーを備えてフィルムとレンズを固定する装置を使えば、あとはネガフィルムデジタイズモードを選ぶだけでシャッタースピードにかかわらず手持ちで鼻歌で撮影ができる ━━ D850の発売にあわせてニコンはフィルムデジタイズアダプター・ES-2(35mm判フィルム専用)を開発したが、別にそんな"大袈裟な装置"を使わずとも既存のアクセサリー類を組み合わせれば充分に可能。

 ただ、D850のネガフィルムデジタイズ撮影機能にはいろいろと不可解な機能制限があったり、使用説明書の解説がそっけない、というか不親切でわかりづらい。せっかくイイことしたのに手を抜くなよ、ニコン。

 露出モードは絞り優先オート固定になり、ISO感度もISO100固定となるのは、ま、いいとしても、不可解な機能制限はざっと試してみただけで以下の通り。

 (1) 電子シャッターが使えず(使用説明書にひと言の記載もない)
 (2) ストロボ同調撮影できず(ストロボをセットすると機能がキャンセルになる)
 (3) AUTOブラケットができず(こうしたデュープ撮影には適正露出が必須)
 (4) JPEGのみでRAW記録ができず(撮影後の微妙な画質調整ができないぞ)
 (5) 撮影時に色調整などができず(褪色補正の機能なんかもほしかった)

 などなど。きっと、ほかにもまだあるに違いない。


 ニコンのスライドコピーアダプター ES-1(旧型、これお買い得です)とマクロレンズを使って手持ちデュープ撮影。
 ネガフィルムデジタイズ機能を使って古いカラーネガを複写反転デジタル化。ネガフィルムが褪色しているせいか期待したような色調に仕上がらない。

 ネガフィルムデジタイズはD850で初めて搭載された"おまけ"の機能だから、まぁ仕方がないか、と思わないでもないが、将来はせめて既存の「フィルムスキャナ+α」ぐらいの気の効いたことができるようにして欲しいぞ。

 でも、よくやったぞ、ニコン。
 他のカメラメーカーもぜひ、これを見習ってやってください。とくに富士フイルムとキヤノン、ね。


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